プロが教えるファクトブックの作り方|記者が好むポイントと事例

ファクト ブック 作り方

いきなりですが、ファクトブックを作ったからといって、必ずしもメディアに取り上げられるわけではありません。

ファクトブックは、渡したら必ずメディアに読んでもらえる資料というわけではなく、「伝えたいことの切り口を広げ、ストーリーを補強するためのサポート資料」として役立ちます。

メディアに正しく理解してもらうためには、企業理念や想いばかりを語るのではなく、事実をわかりやすく整理し、情報の解像度を高めることが重要です。

本記事では、新任広報・一人広報の方でも迷わないよう、プロ目線でファクトブックの意義から構成、具体的な作り方までを徹底的に解説します。

「ファクトブック」とは?PR・M&Aなど文脈別に意味を整理

ファクトブックは「事実や情報を体系的にまとめた資料」ですが、文脈によって意味が大きく異なります。

PR、M&A、大学、自治体など、各領域で作られるファクトブックは役割も内容も目的も違うため、まずはそれぞれの意味を整理していきましょう。

そもそも「ファクトブック」とは何かを知りたい方はこちらもご参照ください。
ファクトブックとは?メディア露出を強化する広報PR担当者必見

「ファクトブック」とは

「ファクトブック」とは インフォグラフィック

PRにおいて作られる「ファクトブック」は、企業の事業・実績・データなどを客観的かつ網羅的にまとめ、メディアやステークホルダーに正確な理解を促すための基礎資料です。
プレスリリースだけでは伝えきれない背景情報を一元管理でき、取材前の理解を大幅にスムーズにします。

一方で、M&Aの文脈では、買収候補企業の財務や事業情報をまとめたデータ集を指し、意思決定のための分析資料として用いられます。目的が「買収の判断」であるため、PRとは用途が根本的に異なります。

また大学・自治体では、学校紹介や地域アピールのための概要資料として使われます。
これらは「魅力紹介」の要素が強く、PRのファクトブックのようなメディア向けツールではありません。

混乱しやすいポイントですが、PR文脈では「事実を整理し、メディアに理解してもらうための資料「と覚えておくと迷わないでしょう。

領域別の意味はこちらの記事でも詳細に解説しています。
ファクトシートとは?広報担当者が押さえるべき基礎知識

「ファクトブック」と「プレスリリース」の違い

「ファクトブック」と「プレスリリース」の違い インフォグラフィック

プレスリリースは「新しい情報を簡潔に届ける」ための一次資料です。
一方、ファクトブックは「背景・根拠・企業情報を多面的に伝える」ために事実をまとめた資料です。

両者は目的が異なるため、併用することでPRの効果を最大化することができます。

ファクトブックには、プレスリリースには載せきれない中長期的な会社の取り組み、実績、社会的な背景、事業の全体像などが網羅的に記載されています。

メディアからすると、プレスリリース単体では理解に時間がかかる場合も、ファクトブックがあることで、その企業が「何者なのか」「何を目指しているのか」を瞬時に把握でき、記事化までのスピードが向上します。

記事とは直接関係がない情報でも、背景理解に必要なファクトを知ることができるからこそ、ストーリーづくりの質も上がります。

「ファクトブック」と「会社案内」の違い

「ファクトブック」と「会社案内」の違い インフォグラフィック

会社案内は、ステークホルダーや求職者への「魅力訴求」が目的です。デザイン性を重視し、企業の世界観を伝える役割が強い資料です。

一方でファクトブックは、「事実情報の整理」が主軸であり、企業のポジショニングや市場環境、実績、事業データなど「判断材料となる情報」を中心に構成されています。

会社案内が魅力を伝える資料であるのに対し、ファクトブックはその魅力を論理で理解してもらうための資料です。つまり、ファクトブックは感情的な訴求を排除し、データや図表を用いた論理構成が求められます。

特にPRの文脈では、魅力アピールよりも「事実の透明性」が重要視されます。企業の実績や取り組みを事実ベースで提示することで、メディアからの信用が高まり、「この企業の情報は信頼できる」という印象につながります。

「ファクトブック」と「IR資料」との違い

「ファクトブック」と「IR資料」との違い インフォグラフィック

IR資料は投資家向けの財務情報をまとめた資料であり、事業に関する数字や将来予測、経営計画など具体的な事実を中心に記載します。

一方で、PR用途で用いられるファクトブックは、定量的な情報に加え、企業の活動背景や事実ベースの定性情報も含んでいます。

両者の根本的な違いは「読み手のニーズと意思決定の目的」です。

投資家は投資判断をするため、収益性や事業計画の精緻な情報を求めますが、記者は記事を書くための企業理解が目的です。そのため、ファクトブックでは「企業の存在意義」「業界の潮流」「取り組みの背景」など、IRには載らない情報も重要となるのです。

ファクトブックは、IR資料のような堅い情報のみではPRの点で不十分ですが、逆に理念やストーリーのみでは信頼されません。両者の良さを使い分けられるようになると、広報としての情報設計力が格段に高まります。

IRについては、こちらの記事もご参照ください。
投資家向け広報とは?IR担当者が知るべき5つのポイント

PRにおけるファクトブックの役割

PRにおけるファクトブックの役割  インフォグラフィック

PRにおいてファクトブックは「企業を正しく、早く理解してもらうための基礎資料」です。

記者に必要な情報をまとめることで、取材の質とスピードが向上します。
また、社内の情報統一にも役立ち、広報、営業、マーケティング、IRなど複数部署の認識を揃える効果もあります。

ここでは、ファクトブックの主な3つの役割をみていきましょう。

①メディアの理解を深める

メディアは企業のすべてを把握しているわけではなく、取材時点での理解度は記者や企業ごとにバラバラです。

記者は短い時間で情報を整理しなければならず、企業の事業背景や市場環境の説明に時間を取られるほど、本質的な取材に使える時間が減ってしまいます。
しかし、ファクトブックがあれば事前に前提情報を把握できるため、短時間でも内容の濃い取材ができ、記事の質も向上します。

②記者発表・取材・プレスリリースの基礎資料になる

記者発表や取材時には、記者が必要とする情報をすぐに提示できることが重要です。
ファクトブックに情報が集約されていることで、資料を探し回る必要がなく、広報担当者自身の負担も減るでしょう。

さらに、プレスリリースに記載しきれない企業の沿革、事業モデルなどの情報も、ファクトブックに整理しておくことで理解の助けとなります。

何より、ファクトブックを用意しておくことで「記事を書きやすい企業」という印象を記者に与えられます。結果として、今後の取材依頼や関係性構築にもプラスに働くのです。

③社内での情報統一に活用できる

広報だけでなく、営業、マーケティング、IRなど複数部署が同じ情報を参照できる点もファクトブックの大きなメリットです。

事実が一箇所にまとめられていることで、説明のズレや誤解を防ぎ、社内全体のメッセージが統一されます。また、新しいメンバーが入ったときのオンボーディング資料としても有効で、企業の全体像を理解してもらう手助けになります。

さらに、外部パートナー(PR会社、広告代理店、制作パートナーなど)と協業する際の共通資料にもなるため、毎回同じ説明をする負担が減り、コミュニケーションの質が上がります。

ファクトブックに入れる要素と全体構成

ファクトブックに入れる要素と全体構成 インフォグラフィック

ファクトブックの作成は大掛かりなイメージもありますが、まずはこの9つの要素を押さえておけば大丈夫です。
ここでは、PRの現場で実際に使われる構成を基に、必要な9つの要素を解説します。

①商品・サービスで解決する課題

ファクトブックの冒頭では、企業が解決しようとしている社会課題・顧客課題を明確に示します。記者は「なぜこの事業が必要なのか」を知りたいため、サービスの背景にある課題を事実ベースで示すことが理解の出発点になるのです。

課題の提示では、感覚ではなく定量データを用いることが望ましいです(例:●●市場は過去5年で××%成長/ユーザーの△△%が□□に不満 など)。

ここを曖昧にすると、事業の価値が伝わらないだけでなく、ストーリー全体の説得力が弱くなります。

②市場のニーズやトレンド

企業の取り組みを理解してもらうためには、市場の動きを示すことも不可欠です。
市場規模、成長率、消費者の行動変化などのデータをまとめることで、事業の背景がより立体的になります。

ここでは外部環境を事実ベースで示しましょう。
市場トレンドを説明する際は、以下のような要素を記載します。

・市場規模や成長率
・顧客の行動や価値観の変化
・業界の課題(構造的問題)
・競合環境の変化

これにより、「なぜ今その事業が必要なのか」の説明が深まり、取材時の理解度が大きく変わります。

③自社の商品・サービス情報

企業の主要サービスを説明する際には、USP(独自価値)、事業モデル、ターゲットを整理します。
ここで重要なのは「事実を説明すること」です。PR資料でありがちな「すごさ」を語るのではなく、「何を提供しているのか」「どのように価値を届けているのか」を淡々と整理します。

また、ポジショニングマップなどの図表を挿入できると理解度が上がるため、図解も積極的に使用しましょう。

④販売実績や売上高、評価やシェアに関する情報

実績は「信頼の裏付け」となる要素です。売上高、利用者数、顧客属性、継続率などのデータがあるほど、事業の信用性が高まります。
ここでも事実を淡々と並べることが重要であり、誇張表現や感覚は逆効果です。

また、外部評価(受賞歴、掲載実績、第三者調査)などは記者が記事を書く際の引用素材にもなるため、整理して記載しておきましょう。特に、時間軸で実績を見せるとストーリー性が生まれます。

⑤未来の予想

企業がどの方向に向かっているのかを示すのが未来予想のパートです。
ただし「〜すると考えています」「〜になると期待しています」といった主観的な言葉は避け、事実に基づく予想や現在値に基づく見立てを淡々と書きます。

予想を語る際は、

・市場のどういった変化に対応しているか
・そのために企業がどの取り組みを進めているか
・中長期的にどんな社会価値が生まれるか

など、根拠を示しながら描写することが重要です。

⑥理念やミッション

企業が大切にしている価値観や行動指針は、企業活動の背景を理解するために欠かせない情報です。ただし、ここも「想い」の語りすぎには注意が必要で、理念やミッションがどの戦略や成果につながっているのかを事実ベースで示すことが大切です。

記者にとって、理念は記事に直接書かないことが多いですが、企業理解の前提情報として重要です。また、理念が明確な企業は取材時にも一貫性が感じられ、記事にしやすくなる傾向があります。

⑦代表者の経歴や創業経緯

代表者の情報は、企業のストーリーを理解する上で欠かせない要素です。経歴や専門性、過去の実績を整理することで、「なぜこの事業を立ち上げたのか」を読み手が理解しやすくなります。

特に、創業の背景にある課題や気づきが事実ベースで語られていると、企業のストーリーに説得力が生まれます。
想いの強さではなく、行動の裏付けを中心にまとめましょう。

⑧従業員数の推移や年齢・男女比などの構成データ

従業員数、年齢構成、男女比、部門構成などのデータは、企業の内部を可視化するための重要な要素です。
特に記者は企業のリソースや成長性を理解する際にここを参照することが多く、定量データとしてまとめてあると情報の信頼度が高まります。

こういったデータは推移(昨年→今年)を見せることで成長の証拠にもなり、ストーリー性も深まります。

⑨問い合わせ先

問い合わせ先は、単なる連絡情報ではなく「次のアクションを生むための導線」です。
記者は締切に追われているため、連絡先を探す手間がかかる企業は取材の選択肢から外されることもあります。

以下の情報は必ず明記し、常に最新の状態を保ちましょう。

・広報窓口のメールアドレス
・電話番号
・担当部署名・担当者名

誰が見ても迷わず連絡できる状態を整えておくことが、取材や記事化の第一歩です。

ファクトブックの作り方 6ステップ

ファクトブックの作り方 6ステップ インフォグラフィック

ここからは、初心者でも迷わずファクトブックを作るための6つのステップを解説していきます。

重要なのは、最初に「目的」と「読者」を決め、次に「事実を集める」ことです。1つずつ順番にみていきましょう。

①目的と読者を決める(記者向け/投資家向け)

ファクトブックづくりの出発点は、「誰に、何のために渡すのか」を明確にすることです。
記者向け、投資家向け、取材前の理解用、パートナー企業向けなど、読者によって必要な情報は大きく変わります。

目的を曖昧にしたまま作ると、情報が多すぎて読まれない、必要な情報が抜けている、といった問題が起きます。目的を明確にすることで、必要な情報だけを取捨選択でき、読み手にとって理解しやすい資料になります。

②事実情報を収集し、最新のものにする

ファクトブックの質は「情報の正確さ」で決まります。
売上、ユーザー数、顧客データ、市場データ、従業員情報など、すべての数字を最新のものにし、可能な限り根拠や出典も明記しましょう。

最も多い失敗は、古い数字や誤ったデータをそのまま使ってしまうことです。記者は数字を重視するため、矛盾や不正確なデータがあると信頼を失います。

③必要な項目を絞って構成案を作る

情報は多ければ良いわけではありません。むしろ、情報を詰め込みすぎたファクトブックほど読まれづらくなります。

ファクトブックの目的に沿う情報に絞り込んだ上で、「課題 → 市場 → 事業 → 実績 → 背景」という流れでまとめると、読み手にとって理解しやすくなります。

伝えたい情報を削る勇気こそが、結果的にファクトブックの価値を高めるのです。

④図表・写真を整理し、見やすい構成にする

文章ばかりのファクトブックは読まれません。図表やビジュアルを活用することで読み手の理解速度が大幅に向上し、読む負担が軽減されます。
さらに、時系列、比較、割合を示す図はメディアにもそのまま引用されやすく、取材可能性も高まるでしょう。

必要な情報に絞り込んで図表を使い、統一感のあるデザインで見やすく整理することが大切です。

⑤トーン&マナーを統一する

フォント、色、図表の形式がバラバラだと、読み手の負担になり、ブランドイメージの一貫性も保てません。

統一されたデザインは「この会社は細かい点まで整っている」という印象を読み手に与え、内容もスムーズに理解してもらいやすくなります。
ビジュアル面の一貫性は、情報の信頼性を支える重要な要素なのです。

⑥更新管理の仕組みを決める

ファクトブックは作って終わりではありません。例えば市場調査のデータなどは年ごとに更新されていきます。四半期、半年、年1回など更新ルールを決め、常に最新情報を維持しましょう。

更新されていない古い情報のままのファクトブックは記者からの信頼を失ってしまいます。定期的な見直しを行い、常に最新データにアップデートすることで、ファクトブックは長期的に価値を持ち続ける資料となります。

メディアに好まれるファクトブックの共通点

メディアに好まれるファクトブックの共通点

質の高いファクトブックには共通点があります。情報の一貫性、図表の多用、根拠の明確さ、事実中心、ストーリー性、専門性、ネガティブデータの開示などがその特徴です。

ここからは、プロが実際に現場で見てきた「良いファクトブック」の共通点を6つ紹介します。

①情報の一貫性がある

資料全体で数字や説明の整合性が取れていることは、ファクトブックの信頼性を左右する基本です。
ページごとに数値が違ったり、表現が微妙にズレているだけで、記者は「どれが正しいのか」を確認する手間が発生し、企業への信頼も下がってしまいます。記者にとって誤報は一番避けたいことなので、信頼できないファクトブックは使われないでしょう。

特に、売上・ユーザー数・導入社数などは最も引用されやすい情報のため、全ページで統一されていることが必須です。更新時も部分的な修正で済ませず、全体を確認して整合性を保ちましょう。

②図表化され、視覚的に理解しやすい

とにかく文字・数字だけが羅列されていてわかりづらいファクトブックになってしまっていることもよくある失敗です。図表は、複雑な情報を一瞬で理解してもらうことができ、文章だけで伝えるより、時系列・比較・割合などの図を使うことで、記者が情報の全体像をつかみやすくなります。

過度な装飾は不要ですが、必要な情報を端的にまとめた図があるだけで、資料全体の読みやすさは大きく向上するでしょう。

③データの根拠が明確で信頼できる

数字の出典や調査方法が明記されていると、それだけで資料の信頼度が高まります。
特に、第三者調査や顧客データのような根拠があると、記者が安心して情報を扱えるため、記事化もされやすくなるでしょう。

また、ファクトブックと言われているように、事実が何よりも大切です。例えば、「社内の業務が改善された」などの抽象的な表現より、「以前は40時間かかっていた作業が、今では20時間で対応できるようになった」という具体的な数値を示すほうが引用されやすく、説得力が生まれます。

④商品・サービスのアピール資料ではない

ファクトブックは「魅力をアピールする資料」ではなく「事実を整理する資料」です。
重要なのは、業界トレンドや市場背景といった文脈を丁寧に整理し、自社の取り組みを美化せず淡々と説明することです。会社概要の資料などと異なり、自社の思いやビジョンなどをまとめるものではありません。

事実の解像度を上げるほど、取材時の会話が深まり、記事につながる可能性も高まります。

⑤ストーリー性がある

一方で、ファクトブックにも「ストーリー性」は重要です。ストーリー性といっても、企業の想いや理念を語ることではありません。「課題背景→取り組み→結果」を事実ベースで整理し、読み手が流れを理解しやすい形にすることがポイントです。

意見や推測は入れず、裏付けのあるデータと経緯をうまく並べることで、自然とストーリーが生まれます。記者は、論理的で因果関係が明確な話を好むため、事実を積み上げたストーリー構成が記事化を後押しします。ここは広報PR担当者の見せ方がものを言うでしょう。

⑥専門性がある

専門家やプロダクト担当者のコメントがあるだけで、資料としての説得力が上がり、さらに企業の信頼性を補強する効果もあります。

現場の視点や技術的な説明は、外部から見えにくい「企業の本質」を伝える材料になり、記者にとっても記事化のヒントになります。

⑦ネガティブな数字も提示する

ネガティブデータは信頼を生む重要な要素です。改善前の数値を示すことで取り組みの成果がよりリアルに伝わり、ストーリーに厚みが出ます。

ポジティブな数字だけが並んでいる資料は「本当だろうか?」と疑念を招くため、あえて課題の大きさや失敗例も示すほうが、信頼できそうな資料だという印象になるでしょう。

企業のファクトブック事例

ファクトブックは、実際の事例を見ることで「どこまで情報を出し、どう整理すべきか」の解像度が一気に上がります。

ここでは、業種や事業特性の異なる企業の事例を見ながら、事実情報の取捨選択や図表の使い方、事業構造の見せ方など参考になるポイントを押さえましょう。

キッコーマン株式会社

キッコーマンのファクトブックは、海外展開の状況や地域別の取り組み、食育活動などの非財務情報も丁寧にまとめられており、企業の価値観や社会との関わりが事実ベースで伝わる構成になっています。

売上などの数字だけでなく、「どのような想いで事業を展開している企業なのか」も理解しやすく、PR用途のファクトブックとして非常に参考になるでしょう。

アサヒグループホールディングス株式会社

アサヒグループホールディングスのファクトブックは、国内・海外の事業セグメント別データが豊富で、事業の構造を把握しやすい点が特徴です。

市場環境や業界データと自社事業の数値が紐づけて整理されているため、「なぜこの事業が重要なのか」も論理的に理解できます。

客観的な事実をもとに事業全体を説明する構成は、記者の企業理解を助ける良い例です。

株式会社クラレ

クラレのファクトブックは、化学・素材系企業ならではの技術や製品用途に関する情報が充実しています。
専門性の高い内容でありながら、用途別・分野別に整理されているため、専門家以外の人にも事業の全体像を把握しやすい構成です。

単なる製品紹介にとどまらず、どの産業でどのように使われているのかが示されている点も、PRにおいて効果的です。

ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ発動機のファクトブックは、製造業・グローバル企業としての特徴をグラフや図でわかりやすくまとめています。地域別の事業展開や製品カテゴリーごとの構成が整理されており、事業の広がりや強みが一目で把握できます。

文章だけでなく視覚的に理解できるデザインは、読み手にとって理解しやすい良いファクトブックと言えるでしょう。

積水化学工業株式会社

積水化学工業のファクトブックは、住宅・モビリティ・素材といった複数事業を一冊で整理している点が特徴です。事業ごとの情報量を揃え、会社全社の構造が見えるよう設計されており、企業全体の理解につながります。

事業が多角化している企業にとって、「分散した情報をどうまとめるか」の参考になるファクトブックです。

よくある質問

ファクトブックの作り方に関するよくある質問 インフォグラフィック

ここでは、シェイプウィンが日々PR支援を行う中で、ファクトブックについてよく寄せられる質問をまとめました。

ファクトブックは何ページくらいですか?

初めて作る場合は、10〜15ページ程度で十分です。

最初から大規模に作る必要はありません。基本構成の9項目を1ページずつ押さえ、徐々にデータを蓄積しながら拡張していくのが現実的です。

ファクトブックは英語で何という?

一般的には「Fact Book」または「Data Book」と表現されます。海外の企業でも同様に使われますが、日本と比べてIR寄りの意味で使われることもあります。

M&Aでのファクトブックの意味は?

M&Aでは事業・財務情報をまとめた買収判断のための資料です。PR用途とは目的も内容も異なり、より財務中心の構成になります。

ファクトブックはどんな場面で使う?

PR活動、取材対応、大学紹介、自治体紹介、M&A分析など幅広い用途で使われます。これまで解説してきたPRの用途では、「情報の整理」が最も重要な役割です。

まとめ:ファクトブックは“作ること”より“どう活かすか”が重要

PR会社のシェイプウィン

ファクトブックは、PRにおいて企業理解を深め、取材や記事化をスムーズに進めるための重要な基礎資料です。一方で、「ファクトブックを作ること」自体がゴールになってしまい、記事化や認知拡大につながらないケースは少なくありません。

実際の現場では、PR戦略、SNS運用、マーケティング施策、SEO対策が相互に連動してはじめて広報の成果が出ます。ファクトブックも単発の施策ではなく、企業の状況や目的に合わせて全体戦略の1ピースと考えるからこそ、初めて「生きた資料」として活用できるのです。
しかし、日々の業務に追われる中で、これらすべてを設計・運用するのは非常に難しいでしょう。

シェイプウィンでは、ファクトブックの設計やPR視点での情報整理にとどまらず、SNS・マーケティング・SEO・PRを横断した支援を行っています。
何から手をつけるべきか迷っている段階でも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。