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新設のアワードイベント「サブスク大賞」が多くのメディア取材を実現したコツとは

“サブスク(サブスクリプション)”というワードをご存知でしょうか?

有名どころだと、NetflixやSpotifyなどの月額で映像や音楽が見放題・聴き放題できる“定額制使い放題サービス”で、エンタメ系以外でも飲食や服飾など様々な業界で同形態のサービスが広がっている注目のサービス形態です。

2019年には新語・流行語大賞にもノミネートされ、多くの方の耳に馴染んできたのではないでしょうか。

この“サブスク”サービスの初代日本一を決定するアワードイベント『日本サブスクリプション ビジネス大賞2019』が昨年12月9日に開催され、シェイプウィンが広報とイベント制作を担当しました。昨今、多くのアワードイベントが開催される中、『サブスク大賞』は在京キー局(テレビ局)9番組と新聞13紙、雑誌4誌、WEBメディア14媒体の計40媒体で情報ニュースとして、放送・掲載していただきました。

そして、今月発売される『広報』や『PR』の実務者向けの専門誌『月刊 広報会議』(2020年3月号)の「PRイベントの効果」というコーナーにて、メディアから注目を集めたPR・アワードイベントとして、名だたる有名企業のイベントと並び、ご紹介いただきました。

今回は、シェイプウィンで実際に『広報』を担当したアワードイベント『サブスク大賞』を例に、多くのメディア取材に繋がる『PR』のコツに触れていきたいと思います。

メディアに刺さる“キーワード”を見逃さず探し当てる

ナンバーワンとビジネスマン

以前筆者が当ブログの「テレビ番組“制作”現場の裏側をお教えします(2)」の中で触れた、「テレビマンには絶対的に“好きな”ワードがある」というテーマがあります。

筆者自身、この“絶対的に好きなワード”を前面に打ち出し、メディア誘致に臨みました。まずメディア誘致に向けた第一歩は、『広報』『PR』を担当される方々と同じくプレスリリースの作成です。ただし、このプレスリリースの“内容”がメディア誘致の成否を分けると言っても過言ではありません。

新語・流行語大賞でのノミネートや有名企業、有名アーティストが次々と“サブスク”というワードをテレビCM等の広告で積極的に使っている今に比べ、『サブスク大賞』の招聘活動を始めた2019年10月末は、経済誌や経済番組ではすでに当たり前のワードでも、一般誌や情報・報道番組ではサービス説明の際に「定額制使い放題」というワードを使う事が多く、一般的にも“サブスク”=定額制使い放題という認識はそこまで高くないと感じていました。

この時点で、“サブスク”というワードはごく一部には刺さっても、誘致活動において広く刺さるキーワードにはなりません。そこで探したのは、テレビやメディアが大好きな“1番”というキーワードです。

“日本一”
“初”

注目したのは、この2つのキーワードです。

昨今、“アワード”には様々なものが存在します。歴史あるアワードには格式と価値がありますので、アワードタイトルのみでその行方に多くの方々が興味を向けます。しかし、新たに作られたアワードの格式と価値は未知数です。

そこで今回は、“新た”なことを逆手に取り、『初』という部分を全面に打ち出しました。プレスリリースのタイトルのみならず、本文やご案内メールでも『日本初』『最初の』『初代の』『記念すべき第一回』など、“初めて”という事に価値がある点を積極的に伝えました。

もう一つは、“日本一”です。こちらも『ナンバーワン』『頂上』などいろいろな言葉に言い換えながら、“一番がここで決まる”というその瞬間を目にできる来場価値・取材価値を訴えていったのです。

今回はありがたいことに、キーワードになり得る“一番”の種類が2つ(『日本一』と『初』)ありました。こういったメディアに刺さるキーワードを探し出し、臆せず前面に打ち出していくと、目に留まりやすく、興味を持ってもらうきっかけになっていくと思います。
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ニュースとして取り上げられる意味を考える

日本サブスクリプションビジネス大賞2019の授賞式
日本サブスクリプションビジネス大賞2019の授賞式

プレスリリースをメディアに目を留めてもらった後には、メディア側での内容の吟味があり、それを乗り越えて取材実現&掲載・放送に至る、という最もハードルの高いステップを乗り越えて行く必要があります。そこで重要になるのが、“ニュースとして取り上げる意味”です。

このアワードは、社会にとってどんな価値があるのか?

送り手側にとっての意味ではなく、社会にとってどんな意味があるのか?

報道ニュース・情報は、どんな媒体にとっても広告・宣伝であってはなりません。報道ニュース・情報として取材実現・放送・掲載を狙うのであれば、 “根拠ある社会性”の提示が不可欠です。

消費者庁管轄の国民生活センター発行の『国民生活』では、消費者ニーズが「モノからコトへ」と変化してきた中、シェア経済の加速により「所有から利用へ」消費傾向が移行している点に触れています。

“サブスク”は、まさにこの社会的ニーズに応えられるサービスです。この“社会性”は報道ニュース・情報としてメディアが取り上げるに値する根拠になり得ますので、これをアピールしない手はありません。先のキーワード(『日本一』と『初』)の次に、この“社会性”についても大きくアピールをしたところ、事前にもイベント当日にも、メディアの方からこの点について問い合わせを受け、実際に取材にお越しいただき、放送・掲載に至る事ができました。

今回のアワードイベントのメディア誘致では、特別な手段は取っていません。しかし、“キーワード”と“意味”を効果的に打ち出すことで、取材成立の確度は格段に上がっていきます。この二点を大切に、社会の動きに目を向けながらアピールしていくのが成功の秘訣ではないでしょうか。

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今村みづき
テレビ制作会社コスモ・スペースにてプロデューサーとして、日本テレビnews every.、テレビ東京ガイアの夜明けなどを制作。シェイプウィンでも同番組の制作を担当。