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ケーススタディ:動画アプリおよびシステムの開発、提供

事前勉強会の実施でメディア露出に成功:動画マーケットプレイス『CM STUDIO』ローンチ広報PR

写真は、左から、本岡さん、石川さん、島、神村
写真は、左から、本岡さん、石川さん、島、神村

株式会社スプラシアは、創業以来、動画領域を中心としたITサービスを手掛けており、2019年3月に国内初の動画マーケットプレイス『CM STUDIO(シーエム・スタジオ)』の提供を開始しました。競合がひしめく動画市場において『CM STUDIO』の優位性を理解してもらう広報PR手段として『メディア向け勉強会』を実施。ターゲットとしていたIT系やマーケティング系のメディア5媒体が出席し、期待したメディア露出の獲得に成功しました。初めてPR会社を使った感想や広報PR成功の裏側をスプラシアの担当者に伺いました。

既存の動画制作クラウドを超える利便性を提供

シェイプウィン株式会社 島恵子(以下、島):

——スプラシアについて教えてください。

株式会社スプラシア マーケティングコミュニケーションユニット長 本岡さん(以下敬称略):

スプラシアは2007年創業以来、動画関連のITサービス提供に特化した事業を展開しており、同年にコンシューマー向け動画プラットフォームの提供を開始しました。培った技術力で動画合成エンジンを開発して特許も保有しています。現在では、もともと得意領域であった動画関連サービスは勿論、事業会社としてのサービス開発・運営経験のナレッジやノウハウを生かして、一部業務システム系の開発なども手がけています。

島:

——CM STUDIOはどのようにして誕生したのでしょうか?

本岡:

創業時に開始した動画プラットフォーム事業をコンシューマー向けからBtoB向けに切り替え、のちに『CM STUDIO』の前身となる、動画編集アプリケーション『CocoMovie(ココムービー)』を2009年に提供開始しました。『CocoMovie』は固定テンプレートを利用して簡単に動画を制作できる月額固定のサービスですが、制作に必要な素材集めが大変だったりテンプレートも柔軟に変更することが難しいなど使い勝手や拡張性に課題がありました。それを解決したいということと、もっと手軽に誰でも簡単に動画が作れて素材にも困らないサービスにしたいと考えていました。

島:

——技術とプラットフォームはあるので、コンセプトを明確にして値段や機能をもっと売りやすくするということですね。

本岡:

そうですね。その後、弊社は博展グループに入りましたが、これで新しいアイディアやマーケティングなどの色々な発想が加わり、素材やテンプレートのマーケットプレイス機能も備えた動画マーケットプレイス『CM STUDIO』が誕生しました。

『CM STUDIO』ローンチPRの課題とは

シェイプウィン株式会社 神村優介(以下、神村):

——ローンチを前に私たちにお声かけいただいたわけですが、「認知を図りたいがナレッジがない」ことを課題として挙げられていました。どんなナレッジがあれば課題をクリアできるというのはありましたか?

株式会社スプラシア マーケティングコミュニケーションユニット リーダー 石川さん(以下敬称略):

そもそも、プロダクトをもつ事業会社として自社のサービスや事業を広報PRするというのは(親会社の)博展でも経験がありませんでした。マーケティングやIRの知識や経験では足りないところを外部のプロにお願いしたいと思ったのです。

神村:

——はじめてPR会社と接点を持ってみていかがでしたか?

石川:

PR会社を選定する中で色々な方に話を聞いていくうちに、「『CM STUDIO』は当初考えていたよりも広報PRが難しいサービスなんだな」と考えるようになりました。

神村:

——具体的にどこが難しいと思われましたか?

石川:

『CM STUDIO』は、革新的な1つの技術があるのではなく、長年の動画サービスの経験値や展開してきたビジネスモデルなど複数の要素が絡み合って成り立っている新サービスなのです。その点でメディアやマーケットの皆さんが反応するようなキーワードを見つけられずにいました。

神村:

——私も最初に説明を伺った時には面白そうと思った反面、類似サービスとの差別化が難しいなと思いました。メディアに刺さる『打ち出し』『キーワード』が必要で頭を悩ませました。

課題を解決してくれるPR会社に頼みたい

神村:

——数あるPR会社の中からシェイプウィンを選んだ理由を教えてください。

石川:

ベンチャー企業やIT、BtoBのためのPR支援をされている会社をネット検索で探しており、。最初の打ち合わせの時の印象が一番よかったというのが決め手でした。

神村:

——具体的にはどんなところでしょうか?

石川:

たくさんのBtoB広報PR事例があったことや、他のITサービス、SEOなどのナレッジも豊富でしたね。また、初回の打ち合わせで出していただいたたくさんのアイディアも非常に参考になりました。何より、柔軟に提案してくれる印象を受けました。

神村:

——ありがとうございます。

キーワード『5G』の選択と『勉強会』の実施が鍵に

島:

——「トレンドをどうやって盛り込んでいくか」というのが広報PRの鉄則ではあります。今回の新サービス発表ではどのトレンドを盛り込むべきか悩んでいましたが、ちょうど2020年に開始となる『5G』が時期としてよいのではないかと提案しました。

石川:

サービスを立ち上げる時に、(現:代表取締役社長の)中島は『5G』を意識していて、営業資料などにもその要素を入れていこうという話をしていたので、インフラが整ってもコンテンツが不足するというストーリーには納得感がありました。しかし、それをメディア向けのリリース文面に入れるという発想はありませんでした。

島:

——経営戦略と広報戦略が合致したことも成功の要因かもしれませんね。

ところで、シェイプウィンのメディアリレーションについてはどう感じられましたか?

インタビューに答える本岡さん

本岡:

メディアとのリレーションが強いという説明を受けたのですが、実際はどのくらいの関係性をメディアと持たれているのかは気になりましたね。

島:

——関係性は感覚値なのでお伝えしづらいものです。リレーションを示す上でもローンチ前に、特に深い関係のメディアには「こんな話があるんです」と内々にお伝えしていたんです。メディアからは「面白そうなので、スプラシアが考えていること(ビジネスモデルや将来性の詳細)をもっと知りたい。その方が記事がおもしろくなる」と数人に言われました。

そこで、露出ターゲットのメディアをお招きして、コンセプトを説明したり動画を作成するデモをしたりした方が、理解が進み、関心度も高くなると考えて『メディア向け勉強会』を提案しました。

『勉強会』の実施で得られたものは?

石川:

勉強会の準備では、資料作成が一番大変でした。マーケティング戦略を作るときもなかなかここまで詳細に資料化しません(笑)。ただ、せっかくの機会なので代表の中島とマーコムユニットメンバーで、どういうストーリーにしたらわかりやすいか議論を重ねながら、営業をはじめとした社内やアライアンスを組んでいる制作会社、素材会社、販売代理店とのコミュニケーションのためにもしっかりまとめました。

島:

——私もメディアに伺う時には手元に置いて数字の部分などのお話をできましたし、最終のストーリーまできちんと出来上がっているので大いに活用させていただきました。

勉強会は、結果としては”5名”とたくさんの人を呼べたわけではありませんでしたが、いかがでしたか?

石川:

これまではメディアの方と接する機会があまりなかったので、トレンドの真っ只中にいる方たちの生の反応を身近に感じられたのはすごく参考になりましたね。我々が今後サービスをどう成長させていくかについての意見交換もでき、非常に学びが多かったです。

神村:

——具体的に参考になったコメントなどはありますか?

石川:

ネットショップのメディアさんが、「使う立場」から純粋な質問を下さったのは参考になりました。いただいたご意見は全部、その後のFAQに組み入れたり、営業で活用したりしています。

広報PRを実際に行ってみて

インタビューに答える本岡さんと石川さん

神村:

——露出については、量もですが「質の高い記事を書いてくれることが大事」というお話をいただいていたのでそこを意識してPR活動を行いましたが、結果はいかがだったでしょうか?

石川:

勉強会の効果もあって、掲載が実現したのは全8メディア(転載記事を除く)。その内、4つは勉強会に参加されたメディアでした。勉強会がマインドシェアのアップに繋がったのだと思います。

島:

——新サービス発表の場合、メディアはリリースから拾える特徴を記事にすることが多いのですが、それ以外に将来性など彼らの意見が入っていて読み応えのある記事だと感じました。勉強会を通じてスプラシアのファンになってくれたのだと思います。

石川:

ある記事は、現在でもFacebook から『CM STUDIO』のホームページへの流入があり、やはり拡散力(影響力)があるのかなと感じています。

島:

——キュレーションメディアへの転載も多数あり、発表後もネット検索から流入しているのだと思います。その影響力は大きいですね。出席されたメディアは、今でも『CM STUDIO』の近況を聞いてくるなど好評です。

島:

——提供開始後の『CM STUDIO』は順調でしょうか?

石川:

おかげさまで、順調に会員登録数を増やしています。『CM STUDIO』は動画の制作自体は何本でも無料で試せるので、まずはより多くの方に会員になって『CM STUDIO』を試していただくこと目指しています。まだまだ集客に注力する必要はありますが、来訪した方が会員登録のためのアカウント作成まで進む率(コンバージョン率)はよいです。

本岡:

課題はたくさんありますが、PRの最初の一歩は考えていたところに出たということで満足しています。

『CM STUDIO』の今後の展開は?

本岡:

『CM STUDIO』は、コストやスキルが必要といった動画の制作課題を解消し、もっと気軽に動画を活用できる環境をつくるというところに重きを置いていますので、ユーザー目線での「導入のしやすさ」や「使いやすさ」にはとことんこだわったサービスにしていこうと考えています。

島:

——テンプレートで活用されているものは何が多いのでしょうか?

本岡:

会社紹介のテンプレートが多かったですね。登録されているユーザー様は広告代理店の方が多い印象です。

石川:

イベントのアタックで使えるようなテンプレートを見ている方も多い印象ですね。

島:

——広報やマーケティングの方向けに、『CM STUDIO』は「こう使える!」ということがあれば教えてください。

石川:

まず「月額制」ではなく「スポット利用可能」で、誰でも気軽に利用できるというのは、他社のサービスとは根本的に違うところだと思います。専門知識やスキルは全く不要で、どんなユーザー様でも必要な時に気軽にハイクオリティな動画を制作できます。作るだけなら無料ですし、購入するまでは全部無料のサービスなので、社内で少しイメージを作りたいという時にもどんどんご利用いただければと思います。

インタビュー

本岡:

プレスリリースを出す際に動画があるとニュースが少し華やかになるといった使い道もあります。極端な話ですが、文字を全部動画にしてもよいかもしれませんね。

島:

——動画を添付して配信するプレスリリースのサービスもありますので、広報PRでも動画活用は増えそうです。

石川:

『CM STUDIO』のプレスリリースでも実際に『CM STUDIO』で制作したサービス紹介動画を添付して配信したことで、その動画を掲載してくれたメディアもありました。また、その動画をYouTubeにアップして、プレスリリースと同様の案内を自社のメルマガにも送ったのですが、クリック率は非常に高く継続的に視聴されています。

本岡:

IRでは、「株主総会」向けには動画を作るのに「説明会」では質疑応答で終わり、といった感じで動画は作らないこともあるのですが、その辺りでも使っていただけたらよいなと思いますね。

神村:

——動画を使った方が株価が上がりそうですね(笑)。『IR向けダイジェスト動画30秒版』のようなテンプレートがあれば良いかもしれないですね。

本岡:

それこそビジネス動画ですね。

神村:

——動画活用に関しては、たくさんのアイディアが生まれそうですね。プラットフォームですから、活用の仕方はこれからもっと出てくるのではないでしょうか。本日は貴重な話をありがとうございました。

編集後記

広告・宣伝より費用が安くマスコミに取り上げられる方法としてプレスリリースを出すことがもてはやされていますが、広報・PRはそのような単純なものではありません。1日に何百通もプレスリリースを受信するメディアの方々に対して、その内容をきちんと理解してもらい記事として取り上げられるようにするには、プレスリリースだけでは難しいことも多いのが現実です。特にアプリやインターネットを介したサービスといったIT系の領域は、実際の動きを見て納得し、業界を取り巻く環境などの詳細情報を理解していただくことが必要になります。今回はその方法として『メディア向け勉強会』を実施し、少人数の記者の方々に競合環境などの情報まで細かくお伝えし、その上で『CM STUDIO』の優位性を実際に体験していただけたことが目標とした露出につながったといえます。

現在では、採用に向けた会社紹介や、日々変わる売れ筋ランキングの紹介など、様々な分野で動画によるプロモーションが行われており、5G時代に向けますますスピードアップするでしょう。広報・PRにも動画は必須のツールとなってくると思います。簡単に高クオリティの動画を制作できる『CM STUDIO』は、スポットでの利用が可能ですのでトライしてみてはいかがでしょうか。

ホームページ:https://cmstudio.jp/

※アカウント作成、動画制作は無料。動画の購入が有料。