社内報の作り方|初めての方向け完全ガイド

社内 報 作り方

「急に社内報の担当になったけれど、何から手をつければいいのかわからない」
そんな悩みを抱える中小企業の広報・総務担当者の方は少なくありません。

社内報は目的と設計次第で、社内の空気や社員の行動を変える重要なコミュニケーション施策です。

この記事では、社内報の基本から、企画・制作・運用の具体的な手順、ネタの考え方、失敗しやすいポイントまでを体系的に解説します。

社内報とは?まず知っておくべき基本

社内報とは?まず知っておくべき基本 インフォグラフィック

「社内報」とは、社内向けに情報やメッセージを届けるためのコミュニケーション媒体で、組織を動かすための戦略的なツールとして捉えることが重要です。

社内報は情報共有だけでなく、経営方針の浸透や社員同士の理解促進、一体感の醸成といった役割を担います。
特に中小企業では、トップの考えを浸透させる機会がなかったり、他部署の取り組みが現場まで十分に伝わらなかったりするケースも多く、社内報がそのギャップを埋める役割を果たすのです。

実際に、社内報を通じて社員のエンゲージメントが高まり、離職率の低下や部門間連携の強化につながった例も少なくありません。

だからこそ、「とりあえず情報を載せる」ではなく、「どんな状態をつくりたいのか」を起点に設計することが、社内報を成功させる第一歩と言えるでしょう。

社内報の作り方!全体フローと7つのステップ

社内報制作は、思いつきや場当たり的に進めると負担が大きくなりがちです。全体フローを把握したうえで段階的に進めることで、初めてでも無理なく運用できます。

最初の社内報を作るには6〜8週間程度が目安です。設計から制作、配布、改善までを一連の流れとして捉えることで、「作って終わり」にならず、次につながる社内報になります。

以下では、社内報制作の流れを7つのステップに分けて解説します。全体像を頭に入れたうえで、それぞれの工程を具体的に見ていきましょう。

Step1:目的とゴールを決める

社内報の作り方 全体フロー Step1:目的とゴールを決める インフォグラフィック

社内報制作で最も重要なのは、最初に目的とゴールを明確にすることです。「何のために作るのか」が曖昧な社内報は、結局読まれず、評価もされません。

社内報の目的としては、以下のようなものが代表的でしょう。

・他部署の業務理解を深める
・経営層の考え・方針を浸透させる
・社員の成果や貢献を可視化する
・成功事例やノウハウを共有する
・社内の雰囲気・一体感をつくる

この中から「今の自社にとって一番必要なテーマ」を選びます。

あわせて、「誰に向けて」「読んだあとどうなってほしいか」を言語化することが重要です。

たとえば「若手社員が他部署の仕事に興味を持つ」「現場社員が経営方針を自分ごととして理解する」といった具体的な状態を描くことで、企画や構成の判断基準がぶれなくなります。

この目的設定が、その後のプラットフォーム選定や企画内容すべての軸になるため、時間をかけて丁寧に行いましょう。

Step2:プラットフォームを選定する

社内報の作り方 全体フロー Step2:プラットフォームを選定する インフォグラフィック

次に行うべきは、社内報をどの媒体で届けるかを決めることです。最適なプラットフォームは、企業の規模や働き方によって異なります。

代表的な選択肢には、以下のようなものがあります。

プラットフォーム特徴・メリット注意点
・全社員に確実に届く
・手に取って読まれやすい
印刷・配布のコストが高く、工数が多い
PDF・配布が簡単
・保存・共有しやすい
・導入しやすい
開かれない可能性がある
Web(イントラネット)・検索性・更新性が高い
・ナレッジ蓄積に向いている
社員が日常的に見ないと定着しにくい
Web(note等)・オープン社内報として社外発信も可能
・採用・PRにも転用しやすい
情報公開範囲の整理が必要

判断のポイントは、次の3つに絞ると決めやすくなります。

・社員はどこで読むか(PC/スマホ/現場)
・発行頻度と運用工数は見合っているか
・無理なく継続できるか

完璧な形を探すより、まずは「続けられる形」を選ぶことが社内報定着の近道です。

Step3:スケジューリングする

社内報の作り方 全体フロー Step3:スケジューリングする インフォグラフィック

社内報制作では、スケジュール管理が成功の鍵となります。
日々の業務では取引先や顧客対応がどうしても最優先になってしまい、社内向け施策である社内報は後回しにされがちです。その結果、作業が何度も後ろ倒しになり、途中で頓挫してしまうケースが非常によく見られます。

そうならないためにも、発行日を先に決めたうえで、そこから逆算して工程を組むことが不可欠です。

まずは必須工程を洗い出します。

配信までの週工程
-6週編集会議
-5週原稿依頼
-3週原稿締切
-3〜2週撮影
-2〜1週デザイン
-1週初校・再校
0週校了・配布

それぞれに期限を設定し、とくに遅れやすい「原稿依頼〜回収」に余裕を持たせましょう。

定期号の場合は、年間スケジュールを先に作っておくと社内の協力も得やすくなります。特集号などイレギュラーな企画は、通常より1〜2週間多めに見積もると安心です。

Step4:コンテンツを決める

社内報の作り方 全体フロー Step4:コンテンツを決める インフォグラフィック

社内報の中身を考える際は、「目的に合っているか」を基準に企画を選びます。載せたいものではなく、載せる意味のあるものを選ぶことが重要です。

どの企画も「なぜこの企画を載せるのか」を説明できる状態にしておきましょう。

定番コンテンツには以下のようなものがあり、詳しくは次の章で解説しています。

・部署紹介・職場レポート
・社長メッセージ・経営方針解説
・社員インタビュー・表彰紹介
・プロジェクト事例・業務改善
・社内イベント・座談会

さらに、単なる人物紹介や業務説明で終わらせず、仕事で大事にしているポイントやコツ、自部署で解決が難しい悩みなど「仕事がつながる情報」を入れると、社内連携が生まれやすくなります。

Step5:誌面構成を組む

社内報の作り方 全体フロー Step5:誌面構成を組む インフォグラフィック

コンテンツが決まったら、誌面全体の構成を考えます。読みやすさとメリハリを意識した構成が重要です。

基本構成のイメージは次の通りです。

・表紙+今号のテーマ
・巻頭(社長メッセージ/重要企画)
・中面(部署紹介・インタビュー)
・後半(ナレッジ・イベント)

内容は情報系7割:感情系3割を目安にすると、硬すぎず親しみやすい社内報になります。

また、読みやすさは「文章」だけでなく「見た目」で決まります。写真と文字量のバランスを意識し、視覚的に「読みたい」と思える誌面を目指しましょう。

Step6:原稿・素材を集める

社内報の作り方 全体フローと7つのステップ Step6:原稿・素材を集める インフォグラフィック

例えば全国に支社がある会社など、会社の規模によっては、広報担当者から他の部署に原稿を書いてもらったり、写真を撮ってもらうことも少なくありません。

他の部署に依頼をする際は、「企画の目的」「掲載媒体」「文字数」「締切」を明確に伝え、質問形式で依頼すると書き手の負担が減ります。

原稿と合わせて使用する写真も非常に重要です。写真は最低でも3カット以上を確保し、コンテンツの内容とあった写真を使いましょう。写真の明るさや背景などによっても、社内報から伝わる会社の印象が変わります。社内のブランディングも意識して慎重に選定することが重要です。

Step7:配信と振り返りを行う

社内報の作り方 全体フローと7つのステップ Step7:配信と振り返りを行う インフォグラフィック

社内報は配信して終わりではなく、振り返りまで行って初めて施策として完結します。

配布時には、メール件名や冒頭文で「読んだ方が良い理由」を端的に伝えるなど、読まれるための工夫をしましょう。
その後、アンケートや口頭での感想などフィードバックを集め、次号の改善点をまとめていきます。

こうした小さな改善の積み重ねが、社内報を「継続的に読まれる媒体」へと育てていきます。

社内報でよくあるネタ一覧

社内報の作り方|初めての方向け完全ガイド

社内報のネタ探しに悩む担当者は多いですが、定番企画を押さえるだけでも十分に社内報は成立します。

まずは以下のようなコンテンツから取り入れることで企画に悩む時間を減らし、継続しやすい運用につなげましょう。

部署・拠点紹介

部署・拠点紹介は、他部署の業務内容や職場の雰囲気を伝えられる定番企画です。
写真や具体的なエピソードを交えることで、普段関わりの少ない部署への理解が深まり、新入社員にもわかりやすい内容になります。


• 「◯◯部の1日密着レポート」
• 「地方拠点で働くメンバーに聞く、ここならではの仕事の魅力」
• 「新設部署ができるまでの舞台裏」
• 「他部署から見た◯◯部のすごいところ」
• 「写真で見るオフィスツアー」

社長・経営層メッセージ

社長や経営層のメッセージは、経営方針やトップの想いを直接届けられる重要なコンテンツです。

単なる数字や結果だけでなく、「なぜ今それを進めるのか」という背景まで言語化することで、現場との距離が縮まります。


・「今月の社長メッセージ」
・「今期の重点テーマと、その背景にある考え」
・「最近よく聞かれる質問に社長が答えます」

活躍社員インタビュー

活躍している社員のインタビューは、成果だけでなく、そこに至るまでの苦労や工夫を伝えられる企画です。

人となりやストーリーがわかる内容にすることで、他の社員の共感やモチベーション向上につながります。


・「◯◯賞を受賞した◯◯さんに聞く、成果の裏側」
・「入社◯年目で任された仕事と乗り越えた壁」
・「新入社員に伝えたい!先輩社員の失敗と今につながる気づき」

プロジェクト事例紹介

プロジェクト事例紹介では、「背景→課題→取り組み→成果→今後」をストーリーとして伝えることがポイントです。

成功要因や工夫を共有することで、他部署でも活かせるノウハウとしての価値が生まれ、部署間の交流を生むきっかけにもなるでしょう。


・「◯◯プロジェクト成功までの道のり」
・「部署横断で進めた〇〇の取り組みの全舞台裏に密着」

社内イベントレポート

社内行事やレクリエーションなどのイベントは、積極的に取材して配信しましょう。

社内イベントレポートは、写真を中心に構成することで、社内の一体感や盛り上がりを伝えやすい企画です。参加者のコメントを添えると臨場感が高まり、「次は自分も参加したい」と思う人も多く生まれるでしょう。


・「社員総会レポート:当日の様子を写真で振り返る」
・「◯◯イベント開催レポート&参加者の声」
・「オンラインイベントの裏側レポート」

新入社員・中途社員紹介

新入社員・中途社員紹介は、顔と名前を覚えてもらうきっかけになり、社員の帰属意識を生むためにも重要な企画です。

趣味や特技などの簡単なプロフィールや意気込みを添えることで、社内コミュニケーションのきっかけにもなります。


・「新入社員◯名を一挙紹介」
・「中途入社メンバーに聞く、入社の決め手」
・「◯◯さんの自己紹介(趣味・意気込み)」

座談会・クロストーク

座談会やクロストークは、会話形式のため読みやすく、複数の社員が登場するため興味を持つ社員も多い人気記事の定番です。

役職や属性を切り口に様々なテーマを設定し、それに合う社員をキャスティングしましょう。


・「若手社員クロストーク:入社◯年目の本音」
・「管理職座談会:チームづくりで大切にしていること」
・「部署横断クロストーク:仕事がつながる瞬間」
・「女性社員座談会:キャリアと働き方」

誕生日・一言コメントコーナー

誕生日や結婚・出産などを迎えた社員の一言コメントを紹介する企画は、カジュアルで温かみのある社内報づくりに役立ちます。

普段あまり紹介することのない社員も平等に掲載できますし、任意参加にすることで全員が無理なく楽しめるコーナーになります。


・「今月のバースデーメンバー紹介」
・「〇〇部の皆さんのひとことメッセージコーナー」

社員のプライベート紹介

社員のプライベート紹介では、仕事以外の一面を知ることができます。

趣味や休日の過ごし方などを取り上げることで、雑談のきっかけが生まれ、部門の違いを超えて社員同士の距離感が縮まるきっかけになるでしょう。


・「◯◯さんの休日の過ごし方」
・「社員の趣味紹介バトンリレー」
・「社員のおすすめの本・映画・お店紹介」

社内報にはその他にも色々なテーマがあります。こちらの記事もご参照ください。
社内報ネタ40選!読まれる記事を作るポイントとは?

社内報の作り方のコツ

社内報の作り方のコツ

社内報は、手順通りに作れば必ず成果が出る施策というわけではありません。
同じ手順で制作していても、「読まれる社内報」と「形だけで終わる社内報」には大きな差があります。

ここでは、実務の現場でよくある失敗を踏まえながら、社内報を「意味のある施策」として機能させるためのポイントを7つ解説します。

①社員が自分にとってメリットを感じる内容にする

社内報が読まれない最大の理由は、社員に「自分には関係ない」と思われてしまうことです。

特にリモートワークや多拠点展開をしている企業では、他の社員が何をしているのか見えにくく、社内報の内容も他人事として受け取られがちです。

そのため、社内報には社員が「得をする」「参考になる」と感じる情報を意識的に入れることが重要です。

たとえば、店舗の売上を伸ばした具体的な工夫や、業務改善によって成果が出た事例などは、高い関心を集めやすいテーマです。単なる成果報告ではなく、「どんな考え方や工夫があったのか」を丁寧に伝えることで、読む側の学びにつながります。

若手社員、管理職、拠点スタッフなど、想定する読者(ペルソナ)を明確にし、「自分ごと」として読める切り口を設計しましょう。

②新卒社員のステークホルダーも巻き込む

とある企業では、社内報を新卒社員の親御さんに届けるといった工夫もしています。

親御さんの立場からすると、「自分の子どもがどんな会社で、どんな人たちと、どんな仕事をしているのか」は非常に気になるポイントです。社内報を通じて会社の雰囲気や取り組みが伝わることで、不安が和らぎ、「いい会社で働いているんだ」という安心感につながります。

社内報は社員本人だけでなく、その周囲にも企業姿勢を伝える媒体になり得るのです。

③コンテンツの閲覧数よりも定性的な影響に目を向ける

社内報の成果を測る際、つい閲覧数や開封率といった数字に目が向きがちですが、それだけで評価するのは適切ではありません。社内報の本来の価値は、数字では見えにくい定性的な変化にあります。

たとえば、社内報をきっかけに部署間の会話が増えた、他部署の取り組みに興味を持つ社員が出てきた、経営方針について現場で議論が生まれた、といった変化は非常に重要です。

こうした変化は、アンケートやヒアリング、日常の会話の中から拾い上げることができます。
PV数だけで一喜一憂するのではなく、「社内でどんな反応があったか」「行動に変化はあったか」という視点で社内報を振り返ることが、継続的な改善につながります。

④ツールとテンプレを有効に使う

社内報制作を継続するためには、担当者の負担をできるだけ減らす工夫も欠かせません。そのためには、CanvaやGoogleスライドなどの無料ツールは非常に有効です。

あらかじめ用意されたテンプレートを使えば、レイアウトや配色に悩む時間を大幅に削減できます。また、複数人での共有やクラウド保存、URL配信なども簡単に行えるため、制作から配布までの流れがスムーズになります。

デザインに力を入れすぎて疲弊してしまうよりも、「誰でも一定のクオリティで作れる仕組み」を整えることが、社内報を長く続けるためのポイントです。

⑤掲載前には同意をきちんと取る

社内報では、肖像権やプライバシーへの配慮が欠かせません。写真やコメントを掲載する際は必ず本人の同意を得て、念のため同意書等にサインをもらうようにしましょう。

原稿確認、写真確認、社内チェックなどのフローをあらかじめ決めておくことで、後からの修正やトラブルを防ぐことができます。
特に、社内報の内容を社外にも転用する可能性がある場合は、その旨を事前に伝えておくことが重要です。
こうしたルールを最初に整えておくことで、安心して制作・運用を進めることができます。

⑥社内報の内容を「社外PR」にも転用する

社内報で作成したコンテンツは、社内だけで完結させるのはもったいないことも多くあります。
活躍社員インタビューやプロジェクト事例は、採用広報やSNS、プレスリリースなど社外向けのPRにも活用できます。

また、最初から「社外にも出す可能性がある」という前提で制作すると、構成や表現の質も自然と高まるでしょう。

社内報を社内外の情報発信の起点として位置づけることで、広報全体の効率と効果を高めることができます。

関連記事:プレスリリースのネタに迷っている方必見!最新トレンドから学ぶネタ探し方法と定番ネタ20選

⑦写真のクオリティを上げる

業務風景だけでなく、人物の自然な表情を撮影することで、誌面に温かみや親近感が生まれます。

撮影時には、「立ち」「座り」「笑顔」など複数のカットを確保しておくことがポイントです。選択肢を持っておくことで、誌面構成の自由度が高まり、より読みやすい社内報につながります。

まとめ:社外PRと連動した社内報が組織の一体感を生む

PR会社

社内報は、社員に情報を伝えるための単なるツールではなく、組織の方向性をそろえ、エンゲージメントを高める重要なコミュニケーション施策です。

一方で、目的設計から企画、制作、振り返りまでをすべて自社だけで担うことは、忙しい広報担当者にとって決して簡単ではないでしょう。

社内報だけを頑張っていても、SNSや採用広報、Webサイト、PR全体との連動がなければ、効果は限定的になってしまいます。だからこそ、社内外の情報発信を横断的に捉え、戦略として設計する視点が欠かせません。

シェイプウィンでは、社内向けPRの支援にとどまらず、SNS、マーケティング、SEO、PRを含めた総合的なコミュニケーション設計を支援しています。
無料相談も行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。