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調査PRとは?効果的な手順と注意点を解説

調査 pr

商品紹介や企業トピックスではなかなかメディアに取り上げてもらえない今、注目されているPR手法が「調査PR」です。

「調査PR」はSNSやWEBメディアとの親和性が高く、客観的なデータを活用することで、生活者の実態や社会課題に寄り添った発信も可能となります。

本記事では、調査PRの概要やメリット、活用パターンから注意点、さらには成功事例までを網羅的に解説します。調査をどう仕掛け、戦略的にPR効果を最大化するか、その具体的な手法をお届けします。

調査PRとは?

調査PRとは?_インフォグラフィック

企業が社会との接点を持ち、メディアでの存在感を高めるには、共感と信頼を生むストーリー性のある情報発信が求められます。中でも、客観的なデータをもとに構築された「調査PR」は、説得力のある広報手法として注目を集めています。

そもそも「調査PR」はどういったものか、見ていきましょう。

調査で得たデータを元にPRする手法

「調査PR」とは、独自に実施したアンケートや市場調査を通じて得たデータを、プレスリリースやコンテンツとして発信するPR手法です。

単なる広報発表ではなく、実態や世論の傾向を可視化し、その情報をもとに自社に関連する話題を自然な形で発信していきます。

たとえば「働き方に関する調査」「Z世代の消費意識」など、社会や消費者の現状をデータで浮き彫りにすることで、メディア側も取り上げやすくなり、自然な形で自社商材やブランドの露出が実現します。

関連記事:調査リリースの作成手順とメディア掲載に繋げるPRの活用ポイント

戦略PRの一手法

調査PRは単体で完結するものではなく、戦略PRの一環として位置づける手法です。

つまり、「どんな風潮を社会に作り出したいか」「その中で自社がどのようなポジションを獲得したいか」という全体戦略があって、調査テーマや設問設計に意味が生まれます。

戦略に基づいて調査を設計すれば、自社にとって追い風となるエビデンスを生み出し、調査結果を説得力ある情報として機能させることができます。

その結果、メディア露出やSNS拡散だけでなく、社内の営業資料やIR文脈でも活用可能な、汎用性の高いPR資産となるのです。

調査PRが注目されている3つの理由

調査PRが注目されている3つの理由_インフォグラフィック

従来の企業広報の主語は「企業」であったのに対し、調査PRにおいては主語を「社会・生活者」とすることで、自然な形で社会の関心を喚起できます。

ここでは、調査PRが注目される3つの理由を解説します。

①社会課題・生活者意識を可視化できる

社会や生活者が何を感じ、どう変化しているのかを、調査という形式で「見える化」することで、企業は社会課題との関わり方を示すことができます。

たとえば、「共働き世帯における家事分担の実態」や「高校生のキャリア観の変化」などは、企業が関与する事業と社会課題の接点を作りやすく、PRストーリーの起点になります。

データを根拠にした情報発信は、生活者の関心や共感を得やすく、広報活動の信頼性を高めます。

②SNS・WEBメディアと親和性が高い

現代の情報流通において、SNSやWEBメディアは欠かせない存在です。調査PRは、数字やグラフといった「シェアしやすい素材」を提供できるため、自然と拡散が生まれやすいという利点があります。

また、メディアもデータに基づいた報道を好む傾向があるため、報道価値の高いテーマを選べば、メディア露出も加速します。

さらに、調査データをSNSで可視化することで、自社に対する「社会的に話題になっている」「時流に乗っている」といったポジティブな印象を形成できます。

関連記事:SNS広報の活用法:知っておきたい賢いSNS広報戦略

③自社の追い風となるエビデンスを作れる

調査PRの最大の魅力は、企業のメッセージを押しつけではなく導き出す形で訴求できる点にあります。

たとえば、自社サービスの必要性を伝えたい場合、「◯割の人々が〜〜に不安を感じている」という調査データがあれば、その不安に対する解決策として自社製品を提示することができます。

こうした構造をつくることで、広告的な色を抑えつつ、自然な導線で訴求へとつなげることが可能になります。

調査PRの4つのメリット

調査PRの4つのメリット_インフォグラフィック

調査PRは、一般的なプレスリリースや情報発信とは異なる多くの利点を持っています。ここでは、主な4つのメリットを紹介します。

①客観性があり信頼を得やすい

調査データには「第三者的な視点」があるため、企業発のメッセージでありながら信頼性が高く感じられます。

特に、外部の調査会社を活用したアンケートなどは、媒体側からの評価も高く、記事化の可能性を高めるポイントになります。

広報担当者が「売り込み」ではなく「情報提供」としてアプローチできるのは、調査PRならではの利点です。

②メディア掲載率が高い

調査PRは、メディアにとっても「使いやすい素材」です。
視覚的にインパクトのあるグラフ、生活者視点のテーマ、定量データに基づく信ぴょう性など、記事コンテンツとして魅力的な要素を兼ね備えています。

さらに、宣伝色が薄い事実ベースの情報という点で、客観性が求められる報道との相性が良く、テレビや新聞、Webメディアでの活用が進みやすい傾向があります。

③企業が新しいネタを作れる

企業広報において「ネタ切れ」は避けられない課題といえます。
調査PRは、自らテーマを設定して情報を生み出せるため、計画的にネタづくりを行うことができます。

たとえば、季節イベントに合わせた意識調査や、トレンドワードと掛け合わせた話題づくりなど、日常的な広報活動を活性化する起点になります。

関連記事:プレスリリースのネタに迷っている方必見!最新トレンドから学ぶネタ探し方法と定番ネタ20選

④SEO施策と相性が良い

調査PRは、自然な形で被リンクを獲得できるため、SEO(検索エンジン最適化)との相性も非常に良好です。

複数のメディアに掲載されることで、リリース元のオウンドメディアや特設ページに対する被リンクが集まり、ドメインパワーの向上に寄与します。

特に、ビッグキーワードでの上位表示を狙う場合、調査データを活用した長文コンテンツは有効な施策となります。

関連記事:良質な被リンクの獲得方法10選!悪質なリンク・ペナルティに注意!

調査PRの活用事例

調査PRの活用事例

調査PRの効果を実感するには、実際にどのような企業が、何を目的に活用しているのかを知るのが近道です。

ここでは、メディア掲載やSNS拡散に成功した事例を紹介し、どのように施策を展開していったのかを具体的に見ていきます。

社会意識を可視化して英語学習ニーズを喚起

シェイプウィンは、語学学習プラットフォーム「Preply」のPR支援として、若年層の海外移住志向に関する調査を実施しました。英語学習のニーズ拡大が広がっている空気を作ること、異文化理解・外国人とのコミュニケーションの重要性を伝えることが本調査の狙いです。

「日本を出て海外に移住したいという若者は40%超え」という結果を主軸に据えたリリースはSNSで話題となり、複数のニュースメディアにも取り上げられるなど、高い拡散力を生み出しました。

語学学習の必要性を社会の実態から浮かび上がらせることで、自社サービスの価値を自然に訴求することに成功しています。商材の機能紹介に終始せず、社会トレンドを可視化することで潜在的なニーズを掘り起こした本事例は、調査PRの好事例といえるでしょう。

Preplyの調査リリースはこちら

季節の話題と生活ニーズを捉えた調査で、ZIP!放映に成功

シェイプウィンは、民生用ドローンメーカー「DJI」のPRを支援し、大容量バッテリーの販売促進を目的に、「お花見に持っていきたいものランキング」という調査を実施しました。アウトドアシーンでの使用ニーズを可視化することで、製品の利用シーンを自然に訴求する構成に設計。

このリリースは、季節性・意外性・実用性という3つの観点で話題性を獲得し、テレビ番組「ZIP!」などでも取り上げられました。結果として、被リンクを大量に獲得し、検索ボリューム165,000のビッグキーワードで10位以内にランクイン。

メディア掲載に欠かせない、ニュースバリューの要素をうまく使った調査PRの成功事例といえます。

DJIの調査リリースはこちら

調査PRを実施する3つのステップ

調査PRを実施する3つのステップ_インフォグラフィック

調査PRを成功させるには、単にデータを集めるだけではなく、事前の設計からプレスリリース設計まで一貫した戦略が必要です。

①調査の設計

調査PRの成否は「設計段階」で決まると言っても過言ではありません。まずは、「誰に対して」「何を明らかにするか」という目的とテーマを明確にします。

・ターゲットの属性(性別・年代・地域)
・設問内容のロジック(質問の流れに無理がないか、選択肢が適切か)
・調査結果から導きたいストーリー

これらを精査することで、価値あるデータ収集と効果的なPRを両立できるようになります。

②データ分析とグラフ化

調査後は、データを単なる「数値」としてではなく、「ストーリーの素材」として扱う視点が重要です。

・傾向や意外性のあるデータの抽出
・属性ごとの差異(クロス集計)
・結果のグラフ化、ビジュアル化

これらの作業によって、プレスリリースの説得力やわかりやすさが向上し、メディアや読者が直感的に理解しやすくなります。

③プレスリリースの作成

調査データは単に羅列するだけでは不十分です。
重要なのは、「データからどんな課題や気づきが浮かび上がるか」「その解決策として自社がどう関わるか」というストーリーテリングです。

リリース構成例
①社会背景・調査目的の提示
②調査結果(データ)
③考察と今後の展望
④自社サービスとの関連性

このように構造化することで、メディアにも伝わりやすく、読み手のアクションを促すことができます。

関連記事:調査リリースの作成手順とメディア掲載に繋げるPRの活用ポイント

調査PRの注意点

調査PRの注意点

調査PRには多くのメリットがありますが、いくつかの重要な注意点を押さえておかないと、期待した効果を得ることができません。

ここでは、信頼性を損なわないための情報開示のポイントや、設計段階で見落としがちな落とし穴、費用対効果に関する視点など、実践前に知っておくべき点をまとめます。

情報を正確に開示する

調査結果は、信頼性のあるPRを実現する根幹です。不自然な誘導設問、母数の少なすぎる結果などは、報道対象から外される可能性があります。

報道機関によっては、調査手法や実施期間、対象人数の明示が掲載条件になることもあるため、正確な開示を徹底しましょう。

調査には費用がかかる

Web調査であっても、数十万円〜の費用が発生する場合があります。
実施対象者の条件、調査会社の選定、設問数、グラフ化作業など、項目ごとにコストが変動するため、事前の見積もりとROI設計が不可欠です。

ただし、単発のプロモーション費用に比べ、長期的なPR資産になる点では、非常に高い費用対効果を得ることが可能です。

複数の切り口を想定して設計しないと使いづらい場合がある

調査PRは「意外性」や「切り口」が成功の鍵です。
1つのストーリーに頼るのではなく、複数の視点や問いを設計しておくことで、メディアの反応やタイミングに応じた使い分けが可能になります。

同じ調査データから「男女差」「地域差」「年齢別」など多角的な分析を行い、複数のリリースを展開できる体制を整えておくことが重要です。

まとめ:戦略的な調査リリースは自社の追い風となる

PR会社

調査PRは、ただ調査をして発表するだけでは本来の効果を発揮できません。
重要なのは、「どのような風潮を社会に生み出したいのか」という戦略的な視点を持ち、調査テーマや設問を設計し、ストーリー性のある形で発信していくことです。

関心を引く実態の可視化と、自社にとって追い風となるエビデンスづくりを同時に実現できるのが、調査PRの大きな強みです。しかし実際には、調査設計・分析・リリース作成・メディア連携までを総合的に設計しなければ、期待する成果につながらないのが現実です。

限られた時間や人員で、こうした工程すべてを担うのは、広報・PR担当者にとって大きな負担となるでしょう。とりあえずプレスリリースを出して終わり、という使い方になってしまう企業も少なくありません。

シェイプウィンでは、戦略的にメディアを活用し、企業にとって最適なPRを支援しています。

単発でも作成可能な調査リリースをはじめ、SNS施策・SEO対策なども含めた総合的なPR支援が可能です。
無料相談も承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。