SNSを活用したいと思っても、「どんなコンテンツをどこに投稿すればいいのか分からない」と悩む広報・マーケティング担当者は少なくありません。
特に中小企業では、限られたリソースの中でSNS運用・マーケティング・SEO対策までをすべて自前で対応するのは現実的に難しいケースが多いのではないでしょうか。
この記事では、主要SNSの特徴から、投稿コンテンツの種類と目的、アイデア出しの方法、コンテンツ作成のポイントまでを包括的に解説します。
SNSがマーケティングに重要な理由

企業が自社の情報を顧客に届ける手段として、SNSは欠かせないものになりました。
これまでメディアを介して顧客に情報を届けるしかなかったところから、自社のメッセージを“直接”届けられるようになったのがSNSの最大の強みです。
ここでは、SNSがコンテンツマーケティングにおいて重要視される理由と、その具体的なメリットについて解説します。
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コンテンツを再利用して情報発信を効率化できる
SNSは、すでに制作したコンテンツを別の形で再利用できる「二次利用の場」として非常に有効です。
たとえば、自社ブログで公開した記事の要点をまとめてInstagramのカルーセル投稿にしたり、X(旧Twitter)に一部を引用して投稿したりすることで、別のチャネルからの流入を狙うことができます。
これにより、ひとつのコンテンツから複数の成果を生み出すことができ、限られた広報・マーケティングリソースでも効率的な情報発信が実現できます。
効果測定をしやすい
SNSは、コンテンツの効果を数値として把握しやすい点が大きな魅力です。
PR記事やテレビ・新聞広告などの従来型メディアでは、実際にどれだけの人に届いたかを正確に測ることが難しく、KPIの設定も曖昧になりがちです。
一方、SNSでは「インプレッション数」や「エンゲージメント率(いいね、コメント、保存)」「リンククリック数」など、具体的な数値を取得できるため、ユーザーの反応を可視化しやすくなります。
特に日本人ユーザーは、文化的に控えめなため、他人から自身のアクションが見られる、いいねやコメントよりも、保存やシェアなど非表示のアクションを好む傾向があります。したがって、「保存したくなる投稿」や「長時間閲覧される投稿」を設計することが、SNSコンテンツ制作においては重要なポイントです。
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一度獲得したフォロワーに何度も接触できる
さらに、一度フォロワーを獲得できれば、その後も継続的に情報接触ができる点もメリットです。これは広告のように単発で終わるのではなく、継続的な関係構築ができるという点で、非常に高いマーケティング効果を持ちます。
ストーリーズやリールなど、複数の投稿形式を活用することで、同じ情報でも異なる切り口で何度も届けることが可能です。
検索に頼らず集客できる
Google検索に依存しない集客チャネルとしても、SNSは有効です。
検索では見つけられない「潜在ニーズ」に訴えかけられるのが、SNSの大きな特徴です。
たとえば、InstagramのリールやTikTokでは、ユーザーの興味関心に合わせて自動的に投稿が流れてくるため、フォローしていないアカウントの情報にも自然に触れてもらえます。これにより、検索キーワードに頼らない新規顧客との接点創出が可能となります。
SNSコンテンツの種類と特徴

SNSにはさまざまな投稿形式があり、それぞれ目的や訴求対象が異なり、プラットフォームごとに利用者層の年齢や性別にも傾向があります。
たとえば、TikTokは10〜20代の若年層が中心で、Instagramは20〜40代の女性ユーザーが多く、X(旧Twitter)は20〜40代の男性が多いと言われています。
こうしたユーザー属性を理解したうえで投稿形式を選ぶことで、より効果的なSNS運用が可能になります。
ここでは、主要なSNSコンテンツの形式ごとに、その特徴と活用シーンを紹介します。
画像投稿(Instagram)
Instagramでは、カルーセル形式の画像投稿が広く使われています。画像投稿は視覚的な訴求力が高く、フォロワーに対して深い情報を提供するのに適しています。
ブランドやサービスの背景にあるストーリーを伝えたり、ステップバイステップの使い方を紹介したりと、教育的かつ情緒的な訴求が可能です。
一方で、新規ユーザーの獲得には向いていない傾向があるため、ファン層との関係を深める目的で活用するのが効果的です。
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動画投稿(TikTok、Instagram)
動画投稿は短時間で多くの情報を伝えられ、インパクトのある訴求が可能です。
TikTokはアルゴリズムにより、人気投稿がさらに伸びる設計になっており、バズを狙いたい場合に向いています。一方Instagramでは、ユーザーの興味関心に沿った動画を優先表示するアルゴリズムのため、バズしていなくても新規リーチを狙えます。
動画はブランドの世界観を視覚的に伝えるのに最適で、商品理解を深めたい場合やイベント報告などにも有効です。
ライブ配信(Instagram)
Instagramのライブ配信は、フォロワーとのリアルタイムコミュニケーションを可能にする手段です。
双方向のやりとりを通じて信頼関係を構築でき、コメント数やリアクションなどのインタラクションによりアカウントの優位性も向上します。その結果、他の投稿も「おすすめ」に表示されやすくなり、全体のリーチ拡大に寄与します。
ライブ配信は、製品の発売直前のプロモーションや、担当者の人柄を伝える施策にも効果的です。
テキスト系(X、Threads)
X(旧Twitter)は、テキストを中心とした拡散性の高いSNSです。
時事性のある話題や速報系コンテンツとの相性が良く、素早く情報を広めたいときに有効です。ただし炎上リスクもあるため、投稿前のチェック体制は必須です。
Threadsはリンクの貼付けが可能な点が強みで、購買動線を設けたい企業アカウントに向いています。拡散力はXほど高くありませんが、インスタグラムと連携させ安定した導線設計が可能です。
SNSコンテンツのアイデアの探し方

SNSを継続的に運用する中で最も多い悩みのひとつが「ネタ切れ」です。
日々投稿が求められる中、どのようにして新鮮で価値あるコンテンツを発想すればよいのでしょうか。
ここでは、広報・マーケティング担当者が実践できる具体的なアイデア出しの方法を、AIやフレームワークの活用を交えて紹介します。
AIを活用してアイデアを出す
「ラッコキーワード」などのツールでユーザーの検索意図を可視化し、そのキーワードをもとにChatGPTなどの生成AIに相談することで、スピーディにコンテンツ案を出すことができます。
たとえばInstagram投稿のアイデアも、競合分析やトレンドに基づいたネタ出しが可能です。
参考:https://www.instagram.com/p/DIdh6SuM15A/?hl=ja&img_index=2
SWOT分析で投稿の切り口を発見する
自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を整理することで、他社と差別化されたコンテンツの切り口が明確になります。
クロスSWOT分析を行うことで、自社の強みと外部のチャンスを掛け合わせた「今だから出せるテーマ」や「自社だから言える視点」が見つかります。
最近では、AIの精度が高まってきているので、SWOT分析、クロスSWOT分析をAIに分析させるのがおすすめです。
よくある質問やお役立ち情報から発想する
実際の顧客から寄せられる質問や、問い合わせ内容をもとにした投稿は、見込み顧客の共感を得やすく、信頼構築に直結します。
製品やサービスの特性を踏まえたQ&A形式のコンテンツや、役立つ豆知識・活用法の紹介などは、実務に活かせる情報として重宝され、エンゲージメント向上にも貢献します。
日常業務の中からネタを拾い上げる
日々の業務の中には、SNSコンテンツのヒントが豊富に眠っています。
営業担当が日常的に受ける質問、現場の声、開発中の裏話など、日々の業務から得られるネタはSNS投稿に最適です。
日常感のあるコンテンツは共感を呼びやすく、ブランドの親しみやすさにも寄与します。
季節の話題や記念日を活用する
季節イベントや「○○の日」を活用した投稿は、自然とエンゲージメントを高めやすく、話題性のあるアカウント運用につながります。
あらかじめカレンダーを作成しておくことで、計画的に運用できます。
競合の投稿からヒントを得る
業界内の人気投稿からアイデアを抽出し、自社のトーンや目的に合わせて再構成する方法も効果的です。 なぜその投稿が伸びたのかを分析し、要素を自社にも取り入れてみましょう。
ユーザーと一緒にコンテンツを作る
アンケート、コメント募集、UGC(ユーザー生成コンテンツ)など、ユーザーとの双方向コミュニケーションを促すコンテンツはエンゲージメントを高めます。
ユーザーとの接点を増やすことで、ブランド好意度も向上します。
SNSコンテンツ制作のポイント

魅力的なSNSコンテンツを継続的に発信していくには、「なんとなく作る」から脱却し、戦略的に設計することが欠かせません。
アカウントの目的やターゲットに応じて、投稿の方向性や見せ方を定めることで、成果に直結する運用が可能になります。
ここでは、制作時に押さえておきたい4つのポイントを整理して解説します。
①アカウントのコンセプトを策定する
まずは「誰に、何を、どう届けるか」という基本設計を明確にしましょう。運用目的がブランディングなのか、集客や採用なのかによって、投稿内容やトーンも変わってきます。
②ペルソナを軸に届ける情報を整理する
投稿ごとに明確なターゲット(ペルソナ)を設定し、その人が「今、必要としている情報」を届ける意識が重要です。
コンテンツのカテゴリーを事前に整理しておくと、効率的な運用とメッセージのブレ防止に役立ちます。
③一貫性・視覚的訴求・トレンドを取り入れる
投稿の世界観やデザインを統一することで、ブランドイメージを形成できます。同時に、トレンドを意識した内容を盛り込むことで、発見されやすくなり、SNSアルゴリズムの評価も向上します。
④優れたツールを活用する
SNSコンテンツの制作や運用を効率化するには、優れたツールの活用が欠かせません。
以下に、実際の現場でもよく使われている便利なツールを目的別に紹介します。
ツール名 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
Canva | デザイン | 無料で使えるテンプレートが豊富 |
CapCut | 動画編集 | スマホでも編集しやすい、TikTok向けにも最適 |
Edits | リール強化 | Instagramのリール露出を高めやすい ※EditsはMeta公式の最新ツールで、リール動画をEdits経由で作成・投稿すると、アルゴリズム上の優遇が期待できる |
まとめ:SNSコンテンツは「戦略設計」で決まる

SNSコンテンツの種類や投稿手法が多様化する中で、企業にとって「何を、誰に、どう届けるか」を考える戦略設計の重要性は高まっています。
画像や動画、ライブ配信、テキスト投稿など、それぞれの形式には明確な意図とターゲットが必要です。そしてそれらをどう組み合わせるかによって、SNSマーケティングの成果は大きく変わってきます。
今回紹介した内容は、SNSコンテンツを作成する担当者にとって必須の知識です。しかし、どんなに良質なコンテンツを作っても、ターゲットに届かなければ意味がありません。
日々の業務に追われる中、全体設計から制作、投稿、効果検証までを自社で完結するのは、現実的には難易度が高いでしょう。
シェイプウィンでは、SNS施策単体ではなく、SEOやPRなどと統合したマーケティング支援を提供しています。専門的な知見をもとに、設計から運用まで一貫したサポートが可能ですので、まずは無料相談からお気軽にご相談ください。