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オウンドメディア集客術!顧客の心を動かす「導入事例記事」とは?

事例 書き方

「オウンドメディアでサービス導入事例の記事を書いたけど、なかなか反応がない」
そんな悩みを抱えていませんか?

多くの企業では、せっかく事例記事を作っても具体的な成果が明確に伝わらず、読者の行動につながらないことが珍しくありません。

実は効果的な事例記事には、顧客のストーリーを魅力的に伝えるための「書き方」があるのです。

本記事では、記事作成前の課題から、読者の心に響く記事の作成方法、さらには一度作ったコンテンツの活用法まで、事例記事の執筆と活用のポイントを解説します。

事例記事はなぜ重要なのか?

事例記事はなぜ重要なのか?_インフォグラフィック

事例記事は、オウンドメディア運営において必要不可欠なコンテンツです。

製品やサービスの導入実績を具体的に紹介することで、潜在顧客の不安を取り除き、購入や契約の決断を後押しする強力な情報源となります。

まずは、事例記事の3つの役割と、形式について解説します。

①契約・購入を後押しする

事例記事は潜在顧客の最後の一歩を押す重要な役割を果たします。

多くの企業担当者は新しいサービスの導入を検討する際、「本当に効果があるのか?」「自社に適したソリューションなのか?」という不安を抱えています。このような懸念を払拭するために最も効果的なのが、具体的な導入事例の提示です。

実際の企業が同様の課題をどのように解決したかを示すことで、読者は自社の状況と重ね合わせることができます。

特に業種や規模が近い企業の事例は説得力が高く、「同じような企業が成功しているなら、自社でも効果が見込めるかもしれない」という安心感を生み出します。

②BtoB取引における「社内説得」の決め手となる

BtoB取引においては、情報収集を担当する実務者と最終決裁を行う意思決定者が異なるケースが大半です。
実務担当者がいくら「このサービスは良さそうだ」と思っても、上層部を説得するためには客観的な根拠が必要です。

その際、他社の成功事例は極めて有効な説得材料となります。

「A社では当サービス導入後、問い合わせ数が130%増加」「B社では業務効率が40%向上し、年間約500時間の工数削減に成功」といった具体的な成果が示されていれば、担当者は主観的評価だけではなく、客観的な事実として上司や経営層に提案することができます。

③製品の価値やストーリーを伝える

事例記事は単なる製品紹介とは異なり、その真の価値やストーリーを伝えるための最適な形式です。カタログやスペック表では伝わらない、実際の運用場面での効果や感想を生き生きと描くことができます。

事例記事では、導入企業が抱えていた課題、サービス選定の経緯、活用方法、そして得られた成果までを一連のストーリーとして描くことで、読者に「価値の全体像」を理解してもらうことができます。特に複雑なBtoBサービスでは、機能や仕組みだけでなく、それによってもたらされる業務変革や組織への影響を具体的に示すことが重要です

事例記事の一般的な構成

事例記事には主に2つの一般的な構成形式があります。

1つ目は「Q&Aインタビュー形式」です。
質問と回答を一問一答形式で記載する方法で、導入企業の声をダイレクトに伝えられるのが特徴です。発言をそのまま掲載するため信頼性が高く、「生の声」として読者に響きやすい形式です。

2つ目は「ルポルタージュ形式」です。
取材で得た情報をもとに、ストーリー仕立てで記事を作成する方法です。企業情報や業界データなどの補足情報も交えながら、より読みやすく編集できるのが特徴です。

導入事例記事のメリット

導入事例記事のメリット_インフォグラフィック

導入事例記事は、オウンドメディア運営において他のコンテンツにはない独自の強みを持っています。
主な4つのメリットを見ていきましょう。

①導入後の具体的なイメージを提供できる

事例記事の最大のメリットは、読者に製品・サービス導入後の具体的なイメージを持たせることができる点です。

「週に2日かかっていた集計作業が30分で完了するようになった」「問い合わせ対応の精度が上がり、顧客満足度が15%向上した」といった具体的な成果が示されると、読者は自社での活用イメージを鮮明に描くことができます。

また、導入プロセスや運用方法についても詳細を知ることで、「自社ではこのように使えそうだ」「あの部署の課題解決に役立ちそうだ」といった具体的な活用シーンを想像しやすくなります。

②商品やサービスに対する信頼感を生む

事例記事は、自社の商品やサービスに対する信頼感を大きく高める効果があります。特に新規サービスや知名度の低い商品の場合、顧客は「本当に効果があるのか」「安心して導入できるのか」という不安を抱えがちです。

そのような時、実際に導入している企業の声や成果を示すことは、最も効果的な信頼性向上の手段となります。

特に業界内で知名度の高い企業の事例や、複数の導入事例を示すことで、「多くの企業が選んでいる信頼できるサービスだ」という印象を与えることができます。

③見込み客との接点を作ることができる

事例記事はリード獲得のための有効なツールとしても活用できます。

たとえば、記事の概要部分は誰でも閲覧できるようにし、詳細な成果やインタビュー全文などはフォーム入力後にダウンロードできる形式にすることで、質の高いリードを獲得することができます。

具体的には、「○○社の導入事例の詳細版をダウンロード」「成功企業3社の事例集を無料でお届け」といったCTA(行動喚起)を設置し、名前や会社名、メールアドレスなどの情報を入力してもらうことで、マーケティングや営業活動に活用できる見込み客情報を収集できます。

④何度でも使える効率的なマーケティング素材になる

事例記事の大きなメリットとして、一度作成すれば様々なマーケティングチャネルで活用できる点が挙げられます。コンテンツマーケティングにおいて「一度作って何度も使う」という効率的なアプローチを実現できるのです。

例えば、メールマガジンのコンテンツとして活用したり、営業活動における商談の補足資料や見込み客へのフォローアップ資料として活用できます。

また、PRの視点からは、メディアリレーションズ活動の素材としても価値があります。
SNSでは、事例記事のポイントを抜粋して投稿することで、フォロワーの興味を引き、サイトへの誘導を図ることができます。

事例記事の基本的な構成と書き方

事例記事の基本的な構成と書き方_インフォグラフィック

効果的な事例記事を作成するためには、マルチチャネルでの活用を前提とした戦略的な構成が重要です。

読者にとって分かりやすく、かつ説得力のある事例記事を作るため、以下の6つのステップに沿って情報を整理しましょう。

導入企業の基本情報

事例記事のはじめには、導入企業の基本情報を明記することが重要です。これにより読者は自社との共通点を見出し、事例の適用可能性を判断することができます。

基本情報として記載すべき要素には、会社名、業種、企業規模(従業員数や年商など)、主な事業内容、サービスの利用開始時期や利用期間などがあります。

たとえば、「株式会社○○(IT業界/従業員数300名/2022年4月より導入)」といったコンパクトな形で記載しておくと、読者は一目で情報を把握できます。

導入前の顧客課題

事例記事の核心部分となるのが、導入企業が抱えていた課題や悩みの描写です。
この部分は読者が最も共感しやすいポイントであり、「自分たちも同じ悩みを抱えている」と感じてもらうことが重要です。

まず、全体的な課題の背景から説明し、具体的な業務上の問題点や影響について詳述します。

たとえば、「業務効率化のためのツール導入」という大きな課題に対し、「データ集計に週2日を要していた」「手作業によるミスが月平均5件発生していた」といった具体的な状況を示すと効果的です。

サービスを選定した理由

サービス選定理由の記述は、自社製品・サービスの強みや独自性をアピールする重要な機会です。ここでは、導入企業がなぜ他の競合サービスではなく、自社のサービスを選んだのかを明確に伝えることが大切です。

選定理由としては、製品・サービスの機能的特徴だけでなく、導入のしやすさ、サポート体制、コストパフォーマンス、将来的な拡張性など、多角的な視点から記述するとよいでしょう。

導入後のサービス活用方法

導入後の活用方法を具体的に記述することで、読者は自社での実際の運用イメージを描くことができます。この部分では、「どの機能を」「どのように」「誰が」使っているかという点を明確にしましょう。

具体的には、主に活用している機能や、日常業務の中でのサービスの位置づけ、利用頻度や利用シーン、部門間の連携方法などを詳しく説明します。

たとえば、「営業部門はモバイルアプリでリアルタイムに顧客情報を確認し、マーケティング部門はダッシュボードでキャンペーンの効果測定を行っている」といった具体的な活用シーンの描写は、読者にとって大変参考になります。

サービス導入の定量的・定性的な成果

事例記事の中で最も重要な部分の一つが、導入による具体的な成果の記述です。

この部分では、定量的・定性的の両面から、サービス導入がもたらした変化やインパクトを明確に伝えることが重要です。

定量的な成果としては、数値で表せる業績向上や業務改善の効果を具体的に示します。
たとえば、「問い合わせ対応時間が40%短縮」「リード獲得数が前年比で150%増加」「月間80時間の業務削減を実現」「売上が25%向上」といった具体的な数字は、読者に強い印象を与えます。

一方、定性的な成果としては、業務品質の向上、社員の満足度アップ、顧客からの評価向上など、数値化しにくい効果も大切な要素です。

導入事例の書き方ポイント

導入事例の書き方ポイント

効果的な事例記事を作成するためには、単に構成要素を押さえるだけでなく、読者の心に響くストーリーテリングの技術が必要です。

7つの重要なポイントを押さえることで、読者の興味を引き、行動につながる説得力のある事例記事を作成することができます。

①顧客のビフォーアフターを明確にする

事例記事の説得力を高めるためには、顧客のビフォーアフターを明確に示す構成が効果的です。

導入前の状態(課題・問題点・限界)と導入後の状態(解決策・効果・メリット)を対比させて描くことで、サービスの価値を視覚的に理解しやすくします。

たとえば、「営業担当者が顧客情報の確認に1件あたり15分を要していたが、導入後は3分に短縮された」といった具体的な比較は、インパクトがあります。

②タイトルに具体的な数字の成果を入れる

事例記事のタイトルは、読者が最初に目にする要素であり、クリックや読み進める判断を大きく左右します。タイトルに具体的な数字を入れることで、読者の興味を引き、記事の信頼性を高めることができます。

たとえば、「○○社、当サービス導入により問い合わせ対応時間が40%削減」「△△社の営業効率が2倍に向上、受注率30%アップを実現」といったタイトルは、漠然とした「○○社の導入事例」よりも具体的でインパクトがあります。

③具体的なエピソードを紹介する

事例記事の説得力と共感度を高めるためには、具体的なエピソードの紹介が非常に効果的です。

たとえば、「導入初日に起きたこと」「予想外の効果があったシーン」「社内での反応」「顧客からのフィードバック」など、サービス活用の実態を生き生きと伝えるエピソードを挿入しましょう。

④ネガティブな情報も隠さず伝える

事例記事においてある程度のネガティブ情報を含めることは、かえって信頼性を高める効果があります。完璧すぎる成功事例よりも、課題や困難を乗り越えた誠実なストーリーの方が読者の共感を得やすいのです。

特に導入初期の苦労や課題は、多くの企業が経験することであり、それをどう乗り越えたかを示すことで、読者の不安を軽減することができます。

たとえば、「導入当初は社内の一部から抵抗があった」「データ移行に予想以上の時間がかかった」といった課題を正直に伝え、それをどのように克服したかという解決策も併せて紹介しましょう。

⑤見出しで要点を伝える

事例記事を効果的に構成するためには、見出しを戦略的に活用することが重要です。

見出しには、単なる項目名ではなく、その章で伝えたいポイントを含めると効果的です。

たとえば、「導入前の課題」という一般的な見出しよりも、「手作業による月80時間のロスが経営課題に」という具体的な見出しの方が、読者の興味を引きます。

⑥SEOを意識する必要はなく、ストーリーテリングを重要視する

事例記事においては、一般的なコンテンツと異なり、SEOを過度に意識する必要はありません。
事例記事はランディングページになりにくく、「○○社 事例」といった特定の検索ワードでのみ検索されることが多いためです。

その分、読者の心に響くストーリーテリングに注力することが重要です。

⑦これまでのストーリーと今後の展望をまとめる

事例記事の締めくくりとして、導入企業の今後の展望や、サービスの発展的な活用計画について触れることで、読者に長期的な価値を伝えることができます。
また、この部分には適切なCTA(行動喚起)を配置し、読者の次のアクションを促すことも重要です。

まとめの部分では、これまでの内容を簡潔に振り返りつつ、導入企業の担当者による総括的なコメントを入れるとよいでしょう。

「○○のおかげで、課題だった△△を解決でき、□□という成果につながった」といった形で、課題→解決→成果のストーリーを改めて確認することができます。

よくある失敗パターン

よくある失敗パターン_インフォグラフィック

事例記事作成において、多くの企業が陥りがちな失敗パターンがあります。
特に多い4つの失敗を事前に認識し、適切な対策を講じることで、より効果的な事例記事を作成することができるでしょう。

特に初めて事例記事を作成する際は、これらのポイントを参考に、計画的に進めることをお勧めします。

①リソースと専門性の不足が品質低下を招く

事例記事の作成を社内だけで完結させようとすると、リソース不足や専門性の欠如により、質や進行スピードに影響が出やすくなります。

特に社内のライターの力不足が課題となります。事例記事は通常のブログ記事やニュースリリースとは異なり、インタビュー内容から魅力的なストーリーを構築するスキルが必要です。

②インタビュースキルの不足により魅力的なストーリーを生み出せない

事例記事において顧客へのインタビューは核心部分となりますが、多くの企業ではこのインタビュースキルの不足が大きな課題となっています。
効果的なインタビューができなければ、魅力的な事例記事を構築するための材料が集まりません。

特に社内の営業担当者や技術担当者がインタビューを行う場合、以下のような問題が起こりがちです。

まず、顧客と日常的に接している担当者は「知っている前提」で話を進めてしまい、読者に必要な基本情報や背景が抜け落ちることがあります。「そもそもなぜそのツールが必要だったのか」といった根本的な部分が語られず、内部者同士の会話のようになってしまうのです。

インタビューには広報パーソンが適任です。メディアとのやり取りや取材対応の経験から、適切な質問で相手の本音を引き出すスキルを持っています。

ただし、インタビューアーがサービスについて100%理解していないと、重要なポイントを掘り下げられない場合があるため、インタビュー時には事例の担当者も同席し、専門的な内容をサポートすることが理想的です。

関連記事:基本の広報スキル!PRに必要な能力とは?

③「効率化できた」など曖昧な表現で成果を伝えきれない

事例記事における最も一般的な失敗の一つが、成果の曖昧な表現です。
「業務が効率化された」「顧客満足度が向上した」「社内コミュニケーションが良くなった」といった抽象的な表現だけでは、読者に具体的なイメージを与えられず、説得力に欠けてしまいます。

この問題が発生する主な原因の一つは、事例記事を何に使うか(広報に使うのか、営業に使うのか)という出口設計が曖昧なことです。

目的が明確でないと、どのような成果指標に焦点を当てるべきかの方向性が定まらず、結果として印象に残らない記事になりがちです。

④読者が実践できる解決策がわかりづらい

事例記事において、課題やその解決策が明確に伝わらないケースも多く見られます。

読者が「どのような課題があり、それをどのように解決したのか」というストーリーを理解できなければ、自社への適用可能性を想像できず、行動喚起にはつながりません。

この問題の根本には、「顧客の課題解決」を「読み手の行動を変えるストーリー」にどう再構成するかという視点の欠如があります。せっかくサービス導入によって成果を上げたからには、その成果を最大限に伝えるべきです。
そのためには、伝え方のプロであるライターや広報経験者に執筆を依頼し、読者が追体験できるようなコンテンツに仕上げましょう。
また、記事を書いただけで終わらせず、他のチャネルにも展開することが重要です。

まとめ:効果的な事例記事で顧客の共感と信頼を勝ち取る

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事例記事は、読者に自社サービスの具体的なイメージを持たせ、信頼感を醸成し、最終的な購入判断を後押しする重要な役割を担うコンテンツです。

本記事では、効果的な事例記事を作成するための6つのポイントを紹介しましたが、これらすべてを実践するには、インタビュースキルやストーリーテリング技術、マーケティング視点など、多様な専門性が必要です。
社内リソースだけでは対応しきれず、クオリティが低下したり、リソース不足で進行が遅延したりするケースも少なくありません。

シェイプウィンでは、こうした課題を解決するため、戦略設計からインタビュー、記事制作、マルチチャネル展開まで、一貫したサポートを提供しています。
事例記事を強力なマーケティングツールとして最大限に活用するために、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。