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パブリックアフェアーズの基礎知識:広報担当なら知っておきたい

パブリックアフェアーズ

近年、テクノロジーの発達により様々なサービスや商品が日々生まれています。新しい価値観や技術を世の中に提供していく中で、既存の業界や世の中の法律・ルールなどが障壁となることがあります。

パブリックアフェアーズとは、世論や政府との関係を構築して事業目標達成のために行う活動であり、広義のPR(パブリックリレーションズ)の中に含まれます。

この記事では、パブリックアフェアーズの基本から、混同されやすいパブリックリレーションズ(メディアリレーションズ)との違い、またそのメリットまで詳しく解説していきます。

またPR会社とはそもそも何かを知りたい方はこちらの記事で、業務内容から広告代理店との違いまで解説しているのでぜひご覧になってください。
関連記事:PR会社とは?広告代理店との違いからPR会社の選び方まで解説

パブリックアフェアーズとは

パブリックアフェアーズとは

パブリックアフェアーズとは、企業や組織が世論や政府に対して事業目標達成のために働きかける活動です。パブリックリレーションズ(広報)と同様に、戦略的コミュニケーションがパブリックアフェアーズにおいても重要です。

日本パブリックリレーションズ協会によると

“企業と社会との緊張関係を処理し、緩和しようとする活動。具体的には、社会を構成する各種環境主体(消費者、地域社会、行政、報道機関など)との積極的コミュニケーション手段をいう。”

日本パブリックリレーションズ協会

とされています。

この活動を通して、特に新しい製作や規制の策定に関して企業が関係するステークホルダーとの結びつきを構築し、自分たちの主張を伝える手段を確保することができます。

パブリック・アフェアーズが必要な理由と背景

近年、UberやAirBnBのようなシェアリングエコノミーという新しいビジネスモデルが市場に登場しています。これらのサービスは、従来のタクシーや宿泊業界の枠組みを超えて、新しい価値観や便利さを消費者に提供しています。

しかし、このような新しいビジネスモデルに対して既存の法律や規制が追いついていないことが多く、多くの場合で適切な規制の欠如や社会的な議論が発生しています。

こういった現代の社会では、企業が単に製品や新サービスを宣伝、提供するだけでは不十分です。新事業を成功させるためには「いいサービスなら法律や世論が付いてくる」、「海外で有名なサービスだから日本でもそのうち認められる」といった受け身の姿勢では新しいサービスを世の中に浸透させることは難しくなってきています。

そのため、企業は社会的な課題に対して積極的に声を上げ、規制緩和の策定、強化、緩和の働きかけなどの解決策を提案する必要があります。

パブリックアフェアーズを通して世論や政府に働きかけることにより、自分たちが見えている社会課題にアプローチし、社会を変えるための環境を整えていくことを可能にします。

パブリックアフェアーズとPRの違い

パブリックアフェアーズとパブリックリレーション(PR)はしばしば混同されることがあり、多くの点で類似しています。どちらもステークホルダーとコミュニケーションをとり、関係を築く活動です。

その中でもパブリックアフェアーズはより政治的な側面を持っており、パブリックリレーションズはより広範な一般消費者への商業的なところに焦点を当てています。

パブリックアフェアーズの活動では情報を政府関係のステークホルダーに伝えることで、公共政策への影響を与え、企業や組織の目標達成に貢献するためのコミュニケーションをとります。一方、パブリックリレーションズは一般消費者が企業や組織への興味関心、ロイヤルティーを高めたり、組織のイメージを向上促進したりするためにポジティブな広報を作成することを目指しています。

パブリックアフェアーズとロビイングの違い

パブリックアフェアーズと似た概念としてロビイングがあります。旧来の日本ではロビー活動は「私益」が出発点となり、組織に好都合なルールを獲得すべく交渉し、合意を形成する活動でした。しかし「旧ロビー活動」は「私益だけ」を求めすぎたがあまりに、1980年〜90年ごろには批判の的となりました。

例えば、酒税改正に関連する「第三のビール」の問題やカジノ法案の推進などは、特定の業界や企業に有利なルールを確立するための典型的なロビー活動の例です。政策変更によって既存のビジネスモデルが脅かされる場合、それを防ぐための手段としてのロビイングが用いられました。

それと変わるよう公正、透明な手段で行うロビイング2.0や現在のパブリックアフェアーズという概念が広がりました。この二つの境界線は曖昧なものがあり、定義にとらわれず、組織が何をしたいかという点に焦点を当てることが重要になっています。

海外と日本の意識の違い

日本と海外では法律や規制に対する考え方が異なるケースがあり、「日本では法律は従うものだが、海外では法律は自分たちで作っていくものだ」と言われることがあります。海外では時代に合わせて、法律やルールを最善に変えていくものという意識が強くあります。

パブリックアフェアーズの具体例

パブリックアフェアーズの基礎知識:広報担当なら知っておきたい

パブリックアフェアーズがどのようなシーンで実践されているか、具体的な例を挙げて見てみましょう。特にスタートアップ企業では、従来の価値観やルールに新しい変化をもたらす際に、パブリックアフェアーズが重要な役割を果たします。

電動キックボード

電動キックボードの普及による影響は大きく、2023年7月1日に改正された道路交通法がその一例です。Loopなどの企業の働きかけにより交通ルールが見直され、交通の圧迫解消に貢献しています。これにより、電動キックボードは都市部での新しい移動手段として注目されています。

AirBnBと民泊新法

2018年6月15日に施行された民泊新法(住宅宿泊事業法)は、個人が空き家や空き室を活用して合法的に民泊営業を行うことを容易にしました。

AirBnBなどの宿泊共有サービスは、訪日旅行客の増加に伴い、特に地方においてホテルの建設が追いつかない問題に対して多様な宿泊オプションを提供し、地域経済の活性化にも貢献しています。

オンライン診療

2019年から流行が始まった新型コロナウイルスにより、オンライン診療の需要が急増しました。医療機関を受診することが困難となった患者や、宿泊療養施設の患者への医療提供手段として利用されました。

また、パブリックアフェアーズの手段として一般社団法人の活用があります。シェイプウィンでは、サブスク振興会と共にサブスクリプション事業者を増やし、業界の健全な発展を目指す企画を行っています。この取り組みは、業界の一線プレイヤーとして悪質業者の排除にも貢献しています。

関連記事:日本初のサブスク団体設立が成功した秘訣は記者発表会での広報PR事例

パブリックアフェアーズに取り組むメリット

パブリックアフェアーズのメリット

ここまでパブリックアフェアーズの基本について見てきましたが、ここからパブリックアフェアーズを通して得られるメリットを見ていきましょう。

パブリックアフェアーズのメリットは多岐に渡りますが、事業成長の促進、企業の社会的役割の強調、産業発展への貢献の三つが代表的なメリットとして挙げられます。

事業成長の促進

パブリックアフェアーズを通して自社の存在意義を正しく伝えることで、事業成長を後押しします。企業活動を通じて得られる利益は、事業を通じた社会への貢献の結果です。企業のミッションやビジョンを明確に伝えることで、社会とのつながりを強化し、事業成長を促進させることが可能です。

社会的役割の強調 

パブリックアフェアーズは、企業がどのように社会を良くしていこうとしているかを伝える重要な手段です。製品やサービスの品質だけではなく、それらを通じて実現しようとしている社会的価値を強調することができます。

産業の発展への貢献 

パブリックアフェアーズの活動は、単に自社の利益に留まらず、産業全体の発展に寄与することができます。一企業の活動を超えて、様々な産業の発展に寄与できる可能性もあります。

例えば、自動運転技術の導入に伴う交通ルールや保険制度の変更など、一つのイノベーションが多岐にわたる産業に影響を及ぼす場合、パブリックアフェアーズはこれらの変化を促進し、産業全体の成長を支援します。

パブリックアフェアーズ(PA)のやり方3ステップ

パブリックアフェアーズの基礎知識:広報担当なら知っておきたい

1. 社会においての自社の存在意義を定義

パブリックアフェアーズの第一歩は、自社のミッションと社会的責任を明確に定義することです。企業は自らの存在意義を理解し、それを社会にどのように貢献できるかを明確にする必要があります。

これには、企業のコアバリュー、目指す社会的影響、および長期的な目標を含めることが重要です。

2. 発信事項を整理

次に、どのようなメッセージを社会に伝えたいかを整理し、そのアプローチを計画的に構築します。ここでは、対象となるオーディエンスやメッセージの内容、そして伝えたい社会的な価値観を考慮します。

また、どのような社会的議論に参加し、どのような影響を目指すかを明確にすることも大切です。

3. 情報発信方法を決めて発信

最後のステップは、決定したメッセージをどのように広めるかです。これにはプレスリリース、ソーシャルメディア、パブリックイベント、セミナーなど、多様なチャネルを活用することが含まれます。

各チャネルの特性を理解し、ターゲットオーディエンスに適切にリーチするための戦略を練ることが重要です。

これらのステップを通じて、新任の広報担当者はパブリックアフェアーズの基本的なアプローチを学び、効果的な戦略を実施することができます。このプロセスは、企業が社会的な影響力を持ち、ポジティブなイメージを構築することに役立ちます。

まとめ

パブリックアフェアーズは、企業や組織が政府や世論との関係を戦略的に築き、事業の目標を達成するための取り組みです。広報活動と似ていますが、パブリックアフェアーズは特に政治的な要素に重点を置き、公共政策への影響を目指します。

この活動には、新製品やサービスの導入、規制の形成などに関わるステークホルダーとの関係構築が含まれます。

また、パブリックアフェアーズは企業単独の枠を超え、産業全体の発展に寄与する可能性を持っています。

新人広報担当者としては、パブリックアフェアーズが企業の重要な戦略であることを理解し、社会とのコミュニケーションで企業の社会的責任やビジョンを効果的に伝えることが求められます。

編集部
編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。