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記者は「おもしろいPRネタでしたら採用します。」と言うけど…

広報PRやマーケティングを担当者は、テレビの番組ディレクターや新聞記者に直接アプローチすることも多いと思います。記者にどのようなPRネタ・プレスリリースを持って行けば記事にしてもらえるのか知りたいところです。

しかし、実際に新聞記者やテレビ番組ディレクターに聞いても「よい答え」が得られません。「おもしろいPRネタでしたら採用します。」と言われた経験のある方も多いはずです。どうすれば、その記者の興味関心がわかるのかを検討してみます。

テレビ番組ディレクターに多い「おもしろいPRネタ」

ディレクターの興味関心事を探る試みをしたことがあります。テレビの取材時にできる隙間時間に「どんなネタに興味ありますか?」「どんなネタでしたら取り上げてもらえますか?」と雑談を交えながら質問をしたことがあります。

期待と裏腹に、いつも返ってくる答えは同じ。「おもしろいネタがあったら教えてください」です。何度も取材先などでご一緒すれば詳しく教えてくれますが、始めて出会ったディレクター・記者の答えは同じです。ワールドビジネスサテライトの特集やトレンドたまご、ガイアの夜明け、モーニングバード、スーパーニュース…と取材時の時間を活用して、いろいろなディレクターに質問しましたが、ほとんど同じ結果が返ってきました。そこで、視点を変えて「おもしろいPRネタ」について考えてみることにしました。

おもしろいだけではない「おもしろいPRネタ」とは?

PR企画プレゼン

前職で、商品企画をやっていた時に上司や社長から言われていたことがあります。

「おもしろい企画を出せ。」

クリエイティブな現場では「おもしろい企画」という言葉がよく出てくるのではないかと思います。当然、採用されるのは「おもしろい企画」です。

提案した企画を「おもしろい」と思ってもらためには、その企画の新しさや斬新さが重要です。しかし、それだけで採用されることはありません。企画の良し悪しを判断するマーケターや社長は、売れるかどうかを一緒に考えています。

おもしろい企画=売れる企画ということがその時の大きな気づきでした。

広報PRにおいては、企画やプレスリリースの採用を決めるのは、新聞記者やテレビの番組ディレクターです。彼らにとっての「売れる企画」とは、「視聴率が取れる」「バズる・接触率の高い」番組や記事です。「売れる」PRネタやプレスリリースを積極的に取り上げたいと思っています。視聴率が取れるPRネタをテレビ局に持ち込む、バズるPRネタを新聞・ネットメディアにプレスリリースすることが取り上げられるために重要なことです。

「売れる」おもしろいPRネタを知るために、2つの方法で分析しています。その方法を簡単にご紹介します。
関連記事:メディアに刺さるニュースバリュー:ニュースバリューの高め方を解説

おもしろいPRネタは過去記事から分析する

過去の記事は、その媒体が興味を持った事柄の履歴です。ネットニュースや新聞などでは記名記事もあり、個人の関心ごともわかります。

新聞記事は日経テレコンを活用

日経テレコン日経テレコンは、日経新聞をはじめ、読売、朝日、毎日、産経などの全国紙、専門紙、日経ビジネスなどの雑誌まで幅広く取り扱っており、過去の記事を30年分も検索することができます。月額8,000円+閲覧した記事数による従量制料金です。

日経テレコン:http://t21.nikkei.co.jp/

ネットニュースはGoogle サイト検索

IT系の記事が多いネットニュースは、ITmedia、Impressなど無料で閲覧できる記事が多いです。その多くはGoogle の検索で見つけることができます。たとえば、ウェアラブル、IoT系のネタを多く取り扱う「MONOist」の傾向を探る場合は「site:http://monoist.atmarkit.co.jp/ ウェアラブル」と検索するとウェアラブルに関するMONOistの記事が検索できます。サイト内検索よりもGoogle検索を使う方が詳細なキーワードで検索できます。また、記者の名前で検索するのも傾向を探る上で役に立ちます。

WBS トレンドたまご はテレビ東京のWebサイトで

トレンドたまごのWebサイト経済系で特に取り上げてもらたい媒体といえばテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」です。テレビ東京のWebサイトでは、過去の放送が1年分Webサイトにアップされています。特にトレンドたまごの様な形式の決まったコーナーは過去分析をしやすいのでチェックすると良いです。

参考: WBS トレンドたまごに応募する前に知っておきたい傾向2014年7-9月編

おもしろいPRネタのヒントを媒体資料から分析

媒体のことを知るために過去の記事や放送内容をたくさん見るのは大変です。広告出稿のための媒体資料を確認することで、その媒体の特性を知ることができます。

たとえば、ITmediaが運営する「Business Style 誠」では、会社のWebサイトを見ると媒体資料とともにどのような媒体か説明されています。読者層や記事の方針など細かく書いてある媒体もありますので、プレスリリースを配信したい媒体の媒体資料は必読です。

まとめ

プレスリリースやPRネタを記者やディレクターなど媒体の担当者に提案・配信するにあたって、彼らが「おもしろい」と思うネタを研究することが取り上げられるための近道となります。この経験がシェイプウィンの研究型プレスリリースの開発につながっています。

媒体研究をすると記者さんと話をするときに共通の話題ができるので、今後のメディアリレーションズにもとても有効です。

媒体の中の人と同じ立場でおもしろいネタを視聴者に届けようとPRネタを考えると取り上げられやすくなります。企業のアピールにつなげられるかは、広報・マーケターの腕の見せどころですが…。

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神村 優介
徳山工業高等専門学校卒業。在学中にNHK高専ロボコン出場経験を生かしたロボット教育ビジネス「MAKE21」を始める。2005年にこのビジネスで経済産業省後援のドリームゲートビジネスプランコンテストの中国地区大会で最優秀賞を取得。その後、株式会社セガトイズに入社し、玩具の企画開発マーケティングを担当。お風呂で使える家庭用プラネタリウム「ホームスターアクア」をプロデュースし、年間15万個出荷の大ヒットを記録。独立後、広報PRを中心にマーケティング企画支援を行うシェイプウィン株式会社を24歳で設立。これまでにChatWorkやスマレジ、TEMONAなどスタートアップの広報PRやマーケティングを支援。