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ニュースレターとは?ニュースリリース・メルマガとの違いや作り方を解説

ニュースレター とは

ニュースレターは、実はプレスリリースがなくても記事掲載につながるほど、メディアとの関係構築において大きな力を発揮する手段です。

しかし、広報やPR業務を任されたばかりの担当者は、プレスリリースを出さないと取材に繋がらないと勘違いしていることも多く、ニュースレターは馴染みの薄い存在かもしれません。

本記事では、ニュースレターとは何か、プレスリリースやメルマガとの違い、作り方や運用のコツ、さらには事例をもとにしたニュースレターの活用方法までを網羅的に解説します。

ニュースレターとは?

ニュースレターとは?_インフォグラフィック

ニュースレターとは、企業がステークホルダーに対して、定期的に企業活動の情報を伝えるための情報発信ツールです。

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会によれば、「マスコミなどのステークホルダーと良好・健全なコミュニケーションを図るために、経営戦略、営業活動、財務状況、技術開発情報などを定期的に紹介する新聞形式の情報発信ツール」と定義されています。

ニュースレターは、報道機関と企業との関係性を深め、信頼関係を築くための重要なコミュニケーション手段です。

企業から発信される一方的な情報ではなく、読み物としての体裁を保ちながら企業の姿勢や意図を丁寧に伝えることで、取材や報道に繋がるケースも少なくありません。

ニュースリリース・プレスリリースとの違い

ニュースレターは、ニュースリリースやプレスリリースと目的や内容、発信の頻度が大きく異なります。下記に3者の違いをまとめました。

項目ニュースレターニュースリリース
プレスリリース
定義ステークホルダーとの関係性維持を目的に、定期的に配信される読み物形式の情報発信ツール報道機関に向けた新情報を公式に伝える文書
※日本では「プレスリリース」という言い方が一般的だが、二者はほぼ同義
目的継続的な関係構築と理解促進報道による社会的認知・影響力の獲得
情報の性質方針、進捗、CSR活動などの継続的情報製品発表やイベントなどの速報性ある情報
発信対象報道機関・メディア関係者報道機関・メディア関係者
配信形式PR配信サービス、FAX、メール、報道各社に直接持参などPR配信サービス、FAX、メール、報道各社に直接持参など
配信頻度定期的必要なときに都度
典型的な内容例製品導入事例、技術紹介、CSR活動、業界動向、キーパーソンの紹介・ニュースリリース:新製品、役員人事、新店舗開店など
・プレスリリース:業績発表、提携、危機対応発表など
文調解説的、ストーリー性重視簡潔・事実ベース
ニュース価値速報性はないが、深掘りできるコンテンツ高いニュース性・社会的関心があるコンテンツ
記者への期待行動背景理解や関係性強化への活用記事化、報道の素材として使用

このように、ニュースレターは即時的な露出よりも、中長期的な関係づくりを目指すツールとして重要な役割を担っています。

関連記事:プレスリリースとニュースリリース、ニュースレターの違いとは?

メルマガとの違い

メルマガとの違い_インフォグラフィック

ニュースレターと混同されがちなのが「メルマガ(メールマガジン)」です。しかし、両者は目的も内容も大きく異なります。

メルマガの目的

メルマガの主な目的は、「顧客との接点を増やし、行動を促すこと」です。
たとえば、有益なニュースやイベント情報を配信し、自社の存在を定期的に顧客の目に触れさせることで、認知と関心を維持・向上させます。そして、購買や申し込みなど、具体的なアクションにつなげる役割を果たします。

そのため、メルマガの構成にはコピーライティングの要素が多く含まれ、販促やマーケティング色が強く打ち出されるのが特徴です。

ニュースレターの目的

一方、ニュースレターは、企業の信頼性や専門性、親近感といった“関係性”を築くことが狙いです。

報道機関を対象とするため、営業的なトーンよりも中立で解説的な文体が求められます。

メルマガがリードナーチャリング(見込み顧客の育成)を目的にするのに対し、ニュースレターは企業ブランディングや報道機関との良好な関係構築が中心です。あくまで「報道のきっかけ」をつくる土台づくりと捉えると良いでしょう。

関連記事:マーケティングコミュニケーションの手法は?戦略で成功した事例も紹介!

ニュースレターの重要性

ニュースレターの重要性

ニュースレターは、単なる情報発信手段ではありません。
プレスリリースでは伝えきれない背景や文脈、企業の思いを補完する重要な役割を果たします。

多くの広報現場で、ニュースレターがメディア露出の起点となっていることは珍しくありません。

ここでは、なぜニュースレターが重要なのか、その理由を解説します。

メディアが深い理解や納得感を得ることができる

プレスリリースでは限られたスペースで要点を伝える必要がありますが、ニュースレターでは詳細な背景やプロセスを丁寧に紹介することができます。

その結果、記者が取材をする際の納得感や理解度が格段に違います。情報の整合性や裏付けがしっかりしている企業は信頼されやすく、取材の対象にも選ばれやすくなります。

作成過程で企業メッセージを整理できる

ニュースレターは作成の過程そのものが、企業の情報整理やメッセージの明文化に役立ちます。

「自社の強みをうまく言語化できない」「中期計画が曖昧」という企業も、ニュースレターの制作を通じて、どこに説明不足や弱みがあるかを自覚できます。これはプレスリリースでは得られない重要な効果です。

ニュースレターを起点にメディア露出を狙うことができる

実際、ニュースレターをきっかけに全国紙やテレビ局からの取材依頼が入ったという例は多数あります。

速報性はないものの、信頼と継続性のある情報提供ツールとして、ニュースレターは非常に高いポテンシャルを持っているのです。

ニュースレターの種類

ニュースレターにはいくつかのスタイルがあります。目的や読み手に応じて形式を選びましょう。

キュレーション型

ニュースレター キュレーション型_インフォグラフィック

業界ニュースや自社情報をまとめて紹介するスタイルです。
読み手にとって有益な情報が網羅されているため、信頼されやすく、継続的な閲読にもつながります。

ニュース型

ニュースレター ニュース型_インフォグラフィック

トピックごとのタイムリーな自社ニュースを、定期的にまとめて配信するスタイルです。
情報量は多くなりがちですが、記者への定期報告として効果的です。

ブログ型

ニュースレター ブログ型_インフォグラフィック

経営者のメッセージや社内の裏話、開発秘話などをストーリー仕立てで紹介する形式です。
人間味や親近感が伝わりやすく、ファン形成にも寄与します。

ニュースレターの作り方

ニュースレターの作り方_インフォグラフィック

ニュースレターを効果的に活用するためには、以下の4つのプロセスに沿って準備することが重要です。

①配信の目的を決める

まずは、「何のためにニュースレターを出すのか」を明確にしましょう。

報道機関との関係構築、企業ブランディング、定期報告など、目的を明文化することで内容設計にブレが生じづらくなります。

②ターゲット・テーマの決定

伝わるニュースレターを作成するには、「誰に読んでもらいたいか」というターゲットの明確化と、「何を伝えるか」というテーマの設定が欠かせません。

たとえば配信対象をメディア関係者に絞るのか、業界団体にも届けるのかといったターゲット設計を先に行うことで、言葉遣いや構成を調整しやすくなります。

さらに、明確なテーマを設けることで内容に一貫性が生まれ、読み手の理解度と満足度も向上します。テーマが曖昧だと情報が散漫になりがちなので、何を伝えたいのかを明確にしましょう。

③コンテンツの制作

記事の構成は「導入→背景→詳細→展望→まとめ」が基本です。
自社の実績や裏付けとなる数値・事例を交えながら、ストーリーとして読めるように構成しましょう。

インタビューや写真も加えると、そのような取材ができるかメディアも撮れる絵のイメージがつき、取材に繋がりやすくなります。

④デザインの作成・配信

読みやすさを意識したレイアウト設計が重要です。

見出しや画像、フォントの統一などを工夫し、PDFやHTMLメールでの配信、紙の郵送など、配信手段もターゲットに応じて選択しましょう。

プレスリリースと考え方は基本的に同じです。詳しく知りたい方は、以下よりご確認ください。

関連記事:【画像付き】記者が好むプレスリリースのデザインとは?10個のポイントと嫌われるデザインも解説!

ニュースレターを活用した広報戦略

ニュースレターを活用した広報戦略

ニュースレターは単体で完結するものではなく、広報戦略全体の中に位置づけて活用することが重要です。

活用のポイントを2点紹介します。

①プレスリリースと使い分ける

速報性の高い内容や緊急性のある情報はプレスリリースで対応し、文脈を丁寧に伝えたい情報や、露出のきっかけを探りたいテーマはニュースレターで展開しましょう。

この使い分けが広報活動の精度を高め、情報の受け取り手にとっても発信の意図がより明確に伝わります。

関連記事:ニュースリリースとは?メディアに取り上げられる3つのポイントと書き方

②メディアとの関係構築を目的にする

ニュースレターは単なる情報提供にとどまらず、メディアリレーションをはじめとするPR活動の中に、戦略的に位置づけるべき手段です。

継続的に発信し続けることに意味があり、四半期に一度、あるいは半年に一度でも定期的に発信することで記者の記憶に残り、「そういえばあの会社、最近こんな取り組みしていたな」と思い出してもらえる存在になります。

これは、ニュース性の高いプレスリリースだけでは築けない、中長期的な信頼の積み重ねによる効果です。

関連記事:メディアリレーションズとは?広報担当者のための用語解説

まとめ:ニュースレターは企業とメディアをつなぐ手紙

PR会社

ニュースレターは、企業とメディアをつなぐ架け橋です。
速報性はないものの、読み応えのある情報や企業の背景を伝えることに長けており、プレスリリースでは拾いきれない価値を伝えることができます。

特に、記者や報道機関との中長期的な関係構築を目指す企業にとっては、欠かせない存在といえるでしょう。

一方で、ニュースレターは戦略設計から企画・制作、配信まで多くのリソースと判断力が求められるため、やるべきなのに「なかなか続かない」「思うように活用できない」といった課題もつきものです。

さらに、ニュースレター単体で成果を出すには限界があり、SNSやオウンドメディア、マーケティング施策と連携させて初めて最大の効果が発揮されます。

シェイプウィンではこうした課題に応えるため、ニュースレターを含むPR・SNS・SEO・マーケティングを包括的に支援しています。

無料相談も承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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編集部
広報PRとデジタルマーケティング支援をするシェイプウィンスタッフおよびパートナースタッフによる編集記事です。メディアリレーションズやプレスリリース、メディア露出、ソーシャルメディア、インフルエンサー、SEO、マーケティングなど様々なジャンルを取り扱っており、基本用語から広報初心者やマーケティング担当者に役立つ情報をお届けします。