名刺交換

新しい酒は新しい革袋にーー未来の職種は新しい言葉(役職名)で作られる

Date: 2017.04.25
Category: 広報/PR全般
Written by: 梅下 武彦

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本ブログを読んでいる皆さまの名刺には、所属部門(部署)名や役職名(肩書き)についてなんと刷ってあるでしょうか。広報あるいはPRなどが多いでしょうか。

部門(部署)名や役職名(肩書き)なんて業務が同じなら大差はない、と考えているかもしれません。

ところが、ビジネスにおいて、自分の業務のアイデンティティは所属部署(部門)や役職名(肩書き)によって作られていきます。つまり、たかが名称、されど名称なのです。

業務に最適化した部門(部署)名と肩書き

名刺交換スーツ

21世紀の今日でも、広告・宣伝、広報(PR)、販売促進、マーケティングなど縦割り行政のように、特に伝統があり大きな組織ではそうした部門・部署名が習わしのところがあります。

昨今、国内の主に広告代理店では、組織変革にあわせてインタラクティブ・クリエイティブ、あるいはエンゲージメントクリエイティブ局といった名称の専部門を設けるようになりました。

また、職種でもコミュニケーションプランナーやコミュニケーションデザイナーという肩書きが増えています。

マーケティングコミュニケーション環境の変化にともない、今後もそれを担うべき新しい職種は続々と誕生するでしょう。

欧米では、メディア、コミュニケーション環境の激変、なかでもソーシャルメディアの著しい進展により、新しい役割を担う職種が次々と誕生しています。

例えば、エクスペリエンス・アーキテクト、グローバル・エフェクティブネス・ディレクターなど、我々日本人からすれば、どのような業務を担当するのかわからないほど、斬新で革新的な職種や職能(役割)に応じた役職名です。

上記のような役職名は、国内では理解されないという理由からなのか、お目にかかることはありません。

「コミュニティマネジャー」という世界では、ソーシャルメディア運営担当者などといった認知されている職種もなかなか認められていない状況です。

こうした新たな職種や役職名が求められているのには理由があります。

「新しい酒は新しい革袋に」

会議1

記のことわざを耳にしたり目にしたりした人もいるでしょう。

これは、新しい思想や価値観を表現するためには、それに相応しい(適した)新しい形式や心構えが必要になってくるということを表しています

出典は『新約聖書 マタイ伝第九章の一節』だそうです。

新しい理念や手法、新しい消費者との関係を表現するには、どうしてもこれまでにはない新しい概念や言葉が必要となるのは当然の理です。

時代の変化がスピーディな今日、これまで常識とされていたことが一転してそうではなくなります。消費者も変化している中で担うべきことが変われば、それに相応しい役職名が求められるのは自然なことです。

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しかし、役職名だけを新しくすればよいというものではありません。仮に、ある企業や組織において、新しいコミュニケーション業務にたずさわるにもかかわらず、所属部署名や肩書きが古いままであったら「仏を作って魂入れず」になってしまいます。

これまでとは異なる視点や、発想に基づいた業務を遂行しなければならないのに、従来と変わらない部署名や職種名では、その業務内容を的確に表現しえない状況があります。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という格言に倣えば、「新しい業務は新しい職種(役職名)に宿る」ということでしょう。

人というのは、心構え(意識や精神)や態度で行動が違ってきます。以下のマザー・テレサの言葉を知っている人も多いでしょう。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

もう数十年前の昔話ですが、ある集まりで名刺交換した人は「総務部広報課」と差し出された名刺に遭遇したことがあります。

往事の広報部門の役割を鑑みれば、それもその人が所属する企業での役割なのだろうと思いますが、広報といえども、意識は上位組織の総務部のままでしょう。

今日では、広報・PR部門やその担当者の役割は重要視されています。しかし、大手企業の多くが広報部門を設けるようになったのは、実は1970年代に入ってからのことなのです。

こうして考えてみると、これら業務部門や肩書きはわずか40年ほどしかたっていません。

現在、私たちが当たり前のように思っている部門の名称や肩書きは、ほとんどが20世紀的なものばかりです。それも1950代以降、世界の経済発展と産業の大きな進展とともに設けられたことがわかります。

1980年代になりコンピュータ、90年代にはインターネットの普及にともなって新しい職能や職種が登場しました。

最近では、ビッグデータにおける「データサイエンティスト」などは新種の職能の典型でしょう。

すなわち、これまでのように経済や産業の発展ではなく、テクノロジーの進展が新しい職種や職能を作り出す時代になっています。

そう考えれば、新種の産業やビジネスに求められる職能や機能が新しいのは当たり前で、それを表すのに最適な職種名や部門(部署)名が必要とされるのは避けられないでしょう。

これまで20世紀を支えてきたな職種や部門(部署)は、数年後にはなくなっていることさえ考えられるでしょう。

民間企業の組織の部門(部署)や役職(肩書き)も、真に構造改革が必要だと思います。

新しいコンセプトに基づく職種や職能

雑談

私自身、フリーランスという立場もありますが、Communication Architectというこれまでにない職種名を勝手に名乗って約10年になります。もちろん、いまだに認知されているとはいえないことも十分に承知しています。

さらには、ブロガーではなくSocialmediactivisと名刺に刷っています。

また、略歴には「様々なソーシャルメディアで活動するSocialmediactivisとして、現在をDigital Ambient Society、Communication Metamorphoses社会と定義し、多様に激変する社会現象・事象、時代情況を独自のマーケティング視点で語るコラムを執筆中。

ソーシャルテクノロジー社会におけるMarketing DisruptionとCommunication Ecosystemの関係を探求している。」という自己紹介文を掲載しています。

専門用語や横文字が多いのは仕方がないのですが、これまでとは大きく異なる視点や発想が求められる職業であればこそ、自らがその新しいコンセプトや理念を掲げ、それを伝えることが、自分にとってのレゾンデートルだと言い聞かせています。

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