セールスはサイエンスだけど、広報PR・マーケティング戦略はアート思考である

Date: 2020.08.24
Category: 広報/PR全般
Written by: 神村 優介

『アート思考』という言葉を聞いたことはありますか? コロナウィルスは、リーマンショックを越える不況をもたらしています。このような不安定で激動な時代では『アート思考』での経営や広報PR・マーケティングに注目が集まっています。そして、このアート思考こそが、どんな状況下においても次の一手を打つために必要な考え方であり、社会に必要とされ続ける企業・製品サービスを生み出す戦略の根底となるものです。

今回は、このアート思考を広報PRやマーケティング戦略にどう活かしていくのか解説したいと思います。

広報PR・マーケティング戦略に必要とされる『アート思考』とは?

らくがきとスニーカー

アートと言えば、絵画や文学、音楽などの芸術を思い浮かべる方が多いと思います。その通りです。本能に問いかけるような表現で、人に様々なメッセージを伝え、心を動かします。一つの絵画を鑑賞して、人それぞれに感じ方が異なるのはごく当たり前です。

例えば、あの有名な絵画『モナ・リザ』(レオナルド・ダ・ヴィンチ)を見て、あの女性は「悲しい顔をしている」「微笑んでいる」と専門家でも意見が分かれるほどです。様々な歴史的背景や作者の背景から「こうなのではないか?」という推測はできますが、もちろん今ここでダ・ヴィンチにインタビューすることはできません。

アートには答えがないのです。アートに触れることで感じるメッセージは人それぞれであり、同じ人でも時が異なれば感じ方も変わるものです。大切なことは、感じるメッセージや裏側に隠されたメッセージを感じ取り、他人と共有することです。この答えのない問いに向き合い、少しでも答えに近づけようとする思考こそがアート思考であり、現代の広報PRやマーケティング活動に必要とされるものです。

アートをサイエンス的(科学的)に分析することで、様々な法則が発見されました。絵画であれば『黄金比』、音楽であれば『コード進行』などです。これらの科学的な法則を使って作られたアートはヒットするのでしょうか? 音楽でも過去のヒットパターンから作られた曲はある程度のところまで認知が広がり、売れますが、人々の心に残り、次世代まで伝えられるような名曲になることはありません。

同様に、サイエンスを駆使して、様々な角度から分析することで、広報PRやマーケティング活動の成果は上がります。しかし、今回の様に行く先が見えないコロナショックの壁にぶち当たると、これまでの経験や科学的なアプローチが機能しなくなるのです。

マーケティングは市場を作っていく仕事であり、広報PRは社会と調和していく仕事です。めまぐるしい環境変化やそれに伴う心境の変化に対応するためには、直感力を鍛えるアート思考が重要になってくるのです。

セールスにおけるサイエンスの重要な役割

日本語でセールスは『営業』と訳されることが多いですが、正確には『販売』です。マーケティングの4P(マーケティングミックス)においては、Promotion(販売促進)の1つとなります。

セールスは、顧客とのファーストコンタクト(初回接触)から販売(購入)を担当し、売上に繋がるコミュニケーションとして重要な仕事です。人や時間のリソースを削減し、売上を最大化するのがセールスです。そのため、インサイドセールスやフィールドセールスでも『トークスクリプト』を作成し、それぞれの顧客接点でKPI(目標)を設けていきます。このKPIを達成するために各販売ステップ(ヒアリング・説明・説得・クロージングなど)を最適化していきます。

この販売ステップの設定や販売計画・目標とその乖離を埋めるための改善活動がまさしく『サイエンス』で行われていることです。予想される結果を設定し、結果に近づけるためのパラメーターの変更などを行うことで、最適化(低リスク・高リターン、低コスト・高リターン)の方法を導くことです。この最適化において、PDCAサイクルなどのフレームワークが存在し、効率的・効果的にマネジメントされているのです。

アートとサイエンスの違いは何?

カラフルなブロック

サイエンス=科学というのは、同じ条件で誰がやっても同じ結果になることです。セールスでは、誰がやっても売れる鉄板のトークスクリプト、顧客の疑問に答えられる網羅されたFAQなどは、サイエンスがもたらす成果です。同じ結果になるためには、数値で計測でき、因果関係を分析することが必要になります。サイエンスには、”過去”のデータが欠かせないものとなります。

アート=芸術というのは、共感するメッセージです。曖昧で流動的なものです。マーケティングや広報PRでは、しくみを構築することや新しいチャレンジ、ファンづくりの場面で重要となる考え方です。芸術というのは先に書いたとおり、人それぞれ考え方や生い立ちによって受け取るメッセージも異なれば、同じ目的でも到達するためのプロセスや表現する内容や方法が異なります。アートには、未確定な将来に向けて直感を元にアウトプットすることが求められます。

アートとサイエンスはどちらの考え方がよいというものではありません。新しいものの創造や人の感情に影響するものであればアート思考は重要です。一方で効率化や平準化をするためにはサイエンスの考え方が重要なのです。

『アート思考』での広報PR・マーケティング戦略構築

最後に、広報PRやマーケティングの担当者が取り入れるべきアート思考についてお話します。

これからの広報PR・マーケティング戦略で重要になるのは『共感』です。効率化や収益性を求めすぎたことで、失敗をしている企業はたくさんあります。つまり、サイエンスに偏りすぎて失敗するのです。

広報PRやマーケティングの場面では、効果測定やKPI測定にこだわりすぎることで、目先のリード獲得やコンバージョンに目が向き、新しい顧客を育てる、市場を作るという本来のマーケティングが機能していないというケースもたくさんあります。

市場形成、顧客育成、ファンづくりなどKPIでは計測しづらいマーケティングだらけです。これからは、広報PR・マーケティングと経営層が一丸となって共感するメッセージと『物語』を考える『ナラティブ・マーケティング』の時代であり、これがアート思考の広報PR・マーケティング活動と言えるでしょう。

参考文献:

 

 

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